ゴブリンは、小柄で醜悪な容姿をした人型の種族だが、その外見からは想像できないほどの強い腕力を持っています。
主に洞窟や鉱山の地下に生息しており、地下に広大な都市を築き上げていることもありますが、人間の国家周辺に存在したゴブリンの都市の多くは、冒険者達の活躍により一掃されています。
しかしながら、遠く離れたゴブリンの都市から、若い指揮官に率いられたゴブリンの襲来は絶えることなく、その度に精霊協会へ討伐の依頼が行われています。
- グスタフ
- 今回の討伐で案内係を務めるグスタフだ。
そう名乗ったのは、鋭い眼差しをした三十代の男だった。
精霊協会の指揮の元に実施される討伐任務では、専門の情報機関による諜報活動や情報操作活動が行われ、様々な形で冒険者の支援が行われています。
案内係は、冒険者に同行して、任務遂行に必要な情報を提供して支援する、情報機関の一員ですが、その支援は情報面だけに限定されており、実際に戦闘に参加することはありません。
- グスタフ
- 今回の討伐対象のゴブリンは、能力的には最低ランクに位置付けられているが、一団の指揮官達は、未熟ながらも精霊術を習得しており、侮ることはできないので注意してもらいたい。
- しかし、過去に私が参加したゴブリンの都市殲滅任務では、精霊術を極めた強大な力を持つゴブリンにも遭遇したが、そのときも我々人間が勝利を収めることができた。
- 精霊協会の試練を乗り越えた君達の実力に、我々の支援があれば、今回の任務でも必ず勝利を収めることができるだろう。
グスタフの先導により、ゴブリンの討伐へと出発したパーティーは、何事もなくゴブリンが拠点とする洞窟に辿り着いた。
洞窟の入り口には見張りのゴブリンが立っており、周囲に警戒の目を向けています。
- グスタフ
- ゴブリンの大部分は、我々が用意したおとりの隊商を襲撃するために出払っており、今はごく僅かなゴブリンしか残ってはいない。
- 洞窟の入り口はここしかないため、正面から突入しての戦いとなるが、奥には別のゴブリンが待機しているので注意が必要だ。
- 奥にいるゴブリンが駆け付けてくるまで、15ターンほどの時間がかかるが、それまでに見張りのゴブリンを倒せなかった場合は、不利な戦いを強いられることになるだろう。
戦闘の準備を整えたパーティーは、洞窟の入り口を目指して駆け寄った。
パーティーの姿に気付いたゴブリンは、襲撃を知らせる角笛を吹き鳴らした!