それは休暇中に訪れたある町でのこと。
「おぬしはいい眼をしておる。」
「いや、サングラスしてるのになんで分かるんですか…」
「おぬしなら、きっとこの壷をも使いこなせるじゃろう。持って行くがよいぞ…」
「いや別にいらないんですが…ってなんか重いじゃねぇかこれ!」
という感じで押し付けられた小さいわりにやたら重い壷。仕方が無いので持ち帰った後は工房の隅に放置していたのだが…
「…な、なんか顔だしてるぞ!」
いつの間にか、蓋をしていた布を食い破ってでてきたのは、どう見てもとかげ、という風貌の生き物。
「あのー、俺ヘルメスっていうんすけど、あんたは?」
「……言葉がわかるの?」
「ええ、一応召喚精霊ですから。」
「はぁ…。あー、俺は…ジーン・ハーティア。」
「ジーンさんすね、よろしく。それじゃ俺はまた寝ますんで、何かあったら起こしてください。それじゃ。」
「ちょ、色々説明してけよおい!」
という感じでなぜか召喚精霊…というよりペットを従える事になってしまったジーン。古代の神の名をもつわりに頼りなさそうなのだが…さてさて。