クラス | エキスパート |
種族 | 人間 |
性別 | 男性 | 年齢 | 56歳 |
身長 | 185cm | 体重 | 68kg |
---|
『エルフ殺しの』ヴィクター=カルトン。
地形変化の激しいペレ地方は、古来より人間とその他種族の対立が激しかった。
様々な種族が互いに凌ぎを削り、英雄伝説の多く生まれた地である。
十数年前、ペレ地方ティシフ近郊の山岳から森林地帯で、
人間はオーガを飼い慣らしたエルフや、
ゴブリン・オーク連合と三つ巴の激戦を広げていた。
ティシフは全種族にとって戦略的な要であったのだ。
ヴィクターは傭兵としてそこにいた。
エルフの英傑であったロシュフォードの奇襲や、
数度に渡るゴブリンの突撃により、人間はあまりにも不利な状況にあった。
その時、ヴィクターはある進言をした。
エルフを容易に一網打尽にする法。
すなわち、ティシフの森に火をかけるというものであった。
ヴィクターは工作兵を率いて、森に火をかけた。
火計によりエルフは、王セロやロシュフォードなどの貴重な人材を失くし、
混乱に乗じて起こったオーガの反乱も相まって戦力のほとんどを失くした。
また、数・質ともに人間よりも劣っていたゴブリンたちは、
憂いを失くした人間にとって敵でなかった。
森に火をかけるといった行為は全種族で暗黙の内の禁忌とされてきたため、
人間と他種族の対立は更に激しいものとなったが、
結果として人間はティシフ全域を制圧し、ペレ地方の中で最も強大な種となった。
敗走するエルフをオーガと組んで次々と惨殺したヴィクターも、
その名をペレの英雄列伝に列ねる事となったのである。
しかしこの事が広まるに連れ、
他種族の刺客がヴィクターを襲うことが多々起きるようになる。
ヴィクターはそういった者たちから逃れるためもあり、
ハイデルベルクにやって来たのだ。
「それでそのエルフのクソアマどもがよォ、『何でもするから命は助けて』だなんて言いやがるんだ。」
「それでやっぱり、どうしたんですか?」
「部下に散々犯らせたあと、脳の足りねえ、エルフにとってみれば『最も愚かで、下賎なる』オーガどもにくれてやったよ。」
「ひどいもんですねえ。僕にはあの美しい種族をそんな風に扱えませんよ。」
「顔に騙されるな、奴等はクズだぜ。エルフ野郎には気をつけろよ―――
奴等は自分の正義とやらのために、仲間を平気で殺すような奴等だ。」
「気をつけますよ、兵長殿。」