精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.411  (第7回:2011/10/1)

E-No.411

本名:デザートローズ
通称:デジー
一言メッセージ
「あ」

 ぽろり、と胸元から落ちるものがあって、デジーは足を止めた。
 爪先のすぐ側に、しおしおになった薔薇の花が落ちていた。短く切った茎の先が、末期の光とばかり僅かに燐光を放っていたが、それもほどなくして消える。

「あー……」

 情けない声を出してデジーはしゃがみこみ、枯れた花をつまみ上げた。
 本来の限界を超えて咲かせ続けた反動か、花はすっかりぼろぼろで、デジーがつまんだところから砂になって地面にこぼれていく。手のひらに乗せる暇もなく、薔薇はすっかり砂になった。

(そう言えばこいつ、こっちに来る前から着けてたんだっけ。もう枯れてもおかしくない頃か……)

 ため息をつきながら立ち上がり(砂になってしまったので埋めるのは諦めて)寂しくなった胸ポケットを恨めしく見やる。
 デジーが普段身に付けている花は、基本的に生花である。茎を花に近いところで切って、切り口に術をかけておく。すると花は水の代わりに身に付けている人間の魔力を吸い取って咲くようになる。この方法を使えば二週間は枯れないので、デジーはコサージュ代わりにして身に付けていた。二週間を超えると急速に劣化して砂になってしまいはするが、一番手軽に花を身に付けられる方法でもある。……お陰で最近は、着けていないと逆に落ち着かなくなってしまったのだが。
 ふと顔を上げると、少し前を歩いていたキシカタが立ち止まってデジーを見ていた。相変わらずその目は焦点が合っておらず、待ってくれていたのか、それとも枯れた薔薇を見ていたのか判然としない。
 どちらにしろ申し訳ないので、デジーは「すみません」と頭を下げてキシカタの後を追った。デジーが追いついたところで、キシカタがまた歩き出す。
 今日はどこに行くのかなぁ、などと考えながら、キシカタの後ろをついて歩く。彼は地味にあちらこちら出歩いているらしく、デジーが「いつこんなところを見つけたんだろう」と思うような場所で休息を取ることがある。先日休んでいた町外れの丘もその一つだ。今日もそういった場所に向かうのかもしれない。
 そんなことをぼんやり考えながら歩いていたデジーの視界に、不意に色とりどりの花びらが飛び込んできた。花屋だった。

(……あ、丁度いいや。お花買っていこう)

 コサージュに利用する花は、術で生み出したものよりは自然に生えたものの方が望ましい。術で生み出した植物は維持に相応の集中力が必要だからだ。四六時中身に付けるものとしては少々不向きである。

「……あの、キシカタさん。ちょっとお花、見ていっていいですか?」

 そう声をかけた時にはもう、キシカタは足を止めて花を眺めていた。
 異様な風体をした傷だらけの男と妙にまごついている黒コートの男がそろって花を見ている、という一種異様な光景に、花屋の主人は困惑顔だった。それを愛想笑いで誤魔化しつつ、デジーは淡いピンクの薔薇を一輪買い求めた。茎を短く切ってもらって店先を離れる。キシカタも興味を失ったのか、ふらふらとデジーについてきた。
 歩く道すがら、薔薇に小声で呪文をかける。次いで荷物から小瓶を取り出し、中に入っている魔力を込めた水に茎の切り口を浸した。魔力が十分花に行き渡ったところで茎の水分を拭き取り、胸ポケットに差し込んだ。
 一息ついたところで、ふわりと花の香りが漂って来た。ん、と辺りを見回す。
 さっきまで居た花屋からは既に大分離れていて、周囲に他の花屋は見当たらない。ならば今胸に挿した薔薇かと思ったが、どうもこれは薔薇の香りでは無いようだ。
 もしや、と傍らを見る。キシカタに少しだけ近づいてみる。やはり花の香りがした。

(……???)

 よくよく思い返してみれば、この香りは今までも嗅いでいた気がする。常に嗅いでいたせいで意識にまでのぼっていなかったらしい。
 しかし、それにしても一体何がこの香りを漂わせているのだろうか。デジーから見る限り、キシカタが花を持っている様子は無い。というか、彼は装飾品らしいものも(首から下げた淡碧の勾玉以外)身につけていない。

(これ、何の花の匂いなんだろう……分からないなぁ、あまりオレには馴染みの無い花みたいだ。
 ……それにしても、一体何処まで不思議なんだ、この人……)

 その後しばらくデジーはキシカタを観察していたが、結局香りの源を見つける事は出来なかった。

お知らせ

登録状況
【クエスト】 継続登録、戦闘設定登録、精霊術設定登録
【イベント】 武術会【混沌杯】
精霊術の習得
結界:防護結界 を習得!
スキルの鍛練
鍛練によって 結界 のLvが上昇! [4→5]
アイテムの購入
霊玉原石 Lv1 を購入! [-200GP]
抽選に外れたため HPアップ Lv1 を購入できなかった……
アイテムの精製
霊玉原石 Lv1 を精製!
精度アップ Lv1 を獲得!
装備品の強化
強化によって 主力 のLvが上昇! [2→3] [-300SP]
攻撃 が上昇! [0→5]
防御 が上昇! [10→15]
霊玉の装備
【主力:スロット3】 必中 Lv1 を装備!

メッセージ

サンタ [342]

でじー・・・・・・・・・・(じーっ、まじまじ)
なんか可愛すぎるから却下ッッ(ちょw)
お前なら、・・・ええと・・・・そだ、「デー」で十分だ、デー!
ところでデー、その花な、肥料やったらもっと咲くのか?
せっかくだから、いーっぱい咲かしてお花畑にしよーぜっ♪ 
なあなあ、肥料撒かせろ。なあなあ。
(きゅうんきゅうん)

んあ? しゃべれるのそんな不思議か?
ちっちっち、誰にも習ってないゾ!
オレ様のよな「ぐれーとすぺさるドッグ」ならこれくらい楽勝なんだぜぃ。フェフェフェ。
キシカタ [380]
「……、……デジー。……」(またしても呼んで。「は、はいっ!?」という声に、ゆっくりとではあるが、また頷く。相手の驚きに頓着している様子はない。……しかし。自分の中で何かを確認する為だったのか、意識をここに戻す為の行為だったのか、意味は量り難いが、しかし、以前よりデジーに意識の焦点が合っているような風情にも見える。ただそれもそう長くはなく、また、ふいと遠くを見るような所作もあり……)

「……、ネエ。……多分。飼った事は………」(けれど、問い掛けにはおもむろに返事をした)「……餌は、やってた……。……多分、多分、多分……。……何でだろうな、マジで」(多分、という言葉を繰り返した後、懐かれている原因は自分でも思い当たらないのか、僅かに首を傾げる。自分の足下あたりに視線を落とし、また上の方に上げ、続いて近くの梢を見やり、そこで戯れる小鳥の影を茫洋と眺め)

「……、……」(おもむろにデジーの方へ顔の向きを戻すと、ゆっくりと一度、そしてもう一度、瞬く)「……紅茶、……紅茶……紅茶も好きだ、緑茶も、紅茶も、……あの茶はティーカップに煩エ奴が……」(また一気に意味のないつぶやきに流れかけたのであろう、妖しく薄く開いた唇。しかしそこで、独り言の代わりに緩く息を吐くにとどめ、キシカタは頷いた。どうやら「飲む」という意思表示のようだ……)

イベント(精霊コロシアム)

イベント名
対戦相手さや
 [E-No.420] (試合結果)
カルア
 [E-No.249] (試合結果)
ララ
 [E-No.181] (試合結果)
異界の魔王ヴィー君
 [E-No.250] (試合結果)
ライト
 [E-No.452] (試合結果)

イベント(精霊武術会【混沌杯】)

パーティの編成
ランダムにイベントパーティを結成した!
イベントでの連絡用に、パーティメンバー限定の「掲示板」が自動作成されました!
※自動作成された掲示板はログインしないと表示されません。
イベント名
パーティ名
メンバーベルテ
 [E-No.6]
ローラ
 [E-No.42]
テオ
 [E-No.178]
デジー
 [E-No.411]

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーキシカタ
 [E-No.380]
デジー
 [E-No.411]

プロフィール

クラス
種族
性別男性年齢25歳身長182cm体重70kg
異世界の魔術結社に所属している魔法使いの男。
こちらの世界を観察し、レポートするよう結社に命じられたため
びくびくしながらやってきた。
気が弱く根暗。いつもおどおどして何かにびくついている。

水を介して植物を操る魔法を得意とする。
ただし、操った植物は魔法を解くとその場で枯れてしまうのが欠点。
元々生えていた植物を使うと土地に与えるダメージが大きいため、
常に複数の植物の種を持ち歩いている。

気を抜くと、たまに頭のてっぺんからお花が生えている。

アイコン一覧

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ステータス

HPMP増加量スタミナ潜在PSPGP
1050112208002,000
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
Lv0Lv0Lv3Lv5Lv0Lv0Lv0Lv0Lv0

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
7治癒回復--30----水界:睡蓮
10治癒清浄10101010×
11結界障壁結界------30緑界:葛藤
12結界反射結界30------黄界:向日葵
39結界保護結界----30--紅界:薔薇
56結界防護結界------30
124結界庇護------30×

装備品

主力: 片手LvCP攻撃防御精度総SP
砂薔薇の短剣
柄に薔薇が彫り込まれた質素な短剣。元々は儀礼用だった。
3151510600
スロット1フェイント Lv1
スロット2腐食 Lv1
スロット3必中 Lv1
補助: 盾LvCP攻撃防御精度総SP
虚ろな四分の一
薄いあかがね色の金属を伸ばして作った盾。叩くとちょっと間が抜けた音がする。
310300600
スロット1
スロット2
スロット3
防具: 中鎧LvCP攻撃防御精度総SP
北海の護衣
いつも着ている黒いコート。持ち主の魔力を高める力を持つ術具。
4204001000
スロット1飛行 Lv1
スロット2
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1051105755142100
補助00128100

所持アイテム (5/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1フェイント Lv1 (武器)100
2霊玉主2腐食 Lv1 (武器)100
3霊玉主3必中 Lv1 (武器)100
4霊玉防1飛行 Lv1 (防具)100
5霊玉精度アップ Lv1100
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