E-No.411
 | 本名:デザートローズ 通称:デジー |
- 一言メッセージ
- 「よーう、宿題持ってきたぞぉ」
庭先で物思いに耽っていたデジー(になるずっと前の幼いデジー)は、明るい声にぼんやりと顔を上げた。
庭の境になっている木の柵の側に、鮮やかな赤毛の少年が立っていた。
デジーの家は町の外れにあり、背後に鬱蒼とした森を従えていたので、町民たちは気味悪がって近付こうとしなかった。が、何処にでも例外はいるもので、この赤毛の少年もそうだった。彼は全く臆することなく、度々デジーの家を訪れては、当時学校を休みがちだったデジーに宿題を持ってきたり、学校の近況を知らせてくれたりした。
というのも、当時のデジーは所謂虚弱体質で、よく体調を崩しては学校を休んでいた。加えて彼が一緒に暮らしていた祖母というのが町でも有名な偏屈婆さんで、気味の悪い術を使うという噂が立っていたものだから、学校でのデジーに対する風当たりは決して良いものではなかった。彼の両親が既に亡くなっていたのもそれに拍車をかけた。
そんな中でも全く気にせずに声をかけてきたのが、この赤毛の少年だった。デジーとは正反対に元気そのもので、何よりも友人を大事にした。曲がった事が嫌いで、しょっちゅういじめっ子連中と対立しては喧嘩をしていたらしい。
デジーと親しくなったのも、彼を一番にいじめていた生徒を少年がとっちめたからだった。
「もう大分起きれるようになったじゃん。明日には学校来れそう?」
ひょいと柵を乗り越えて庭に入り、少年はデジーの隣に腰を下ろした。
うん、と曖昧に頷いてから、デジーは俯いた。
「行けそう、だけど……」
「よし、そんなら明日は迎えに来てやるよ! 俺と一緒なら行きやすいだろ?」
「でもさ……いいの? オレなんかと一緒で」
「うん?」
「また何か嫌味、言われない?」
赤毛の少年が後ろ楯になってから、学校でのデジーの待遇は大分改善された。が、未だに他の生徒とは距離を感じていたし、事実陰口を言われることもあった。
だから心配になった。自分とつるむことで少年の迷惑になりはしないかと。
デジーの言葉に少年は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに眉根を寄せて答えた。
「お前、まだそんな事考えてんの」
「……だって、その……」
「あのな、ちゃんと皆お前のこと気にするやつらもいるぞ? ベンジャミンだって、お前がいないと花壇の世話がはかどらないってぼやいてたし」
「……本当?」
「こんなとこで嘘ついてどうすんだよ」
そうだろ、と胸を張ってみせる少年を見て、デジーはようやく笑えた。つられたように少年も笑った。
「そんじゃ、決まりだな。明日迎えに来るよ」
「うん」
少し、眠ってしまっていたらしい。
背中に大樹の硬さを感じ、投げ出した足に、地面の冷たさが染み入るのを感じて、デジーは目を覚ました。
午後二時過ぎの陽光はわずかに黄金色を帯びている。頬に日が当たっていて、そこだけがほんのりと暖かい。
(……そうだ、キシカタさんは、)
慌てて身を起こし、キシカタを目で探す。彼はいつものように、少し離れた所に寝転がっていた。ほっとして胸を撫で下ろしながら、自分の迂闊さに溜息を吐く。いつまた『アレ』が来るか分からないと言うのに居眠りなんて、不注意にも程がある。
昨日遭遇した『アレ』を思い出して、デジーは身震いする。
間違いなく『アレ』はデジー達のすぐ側に来ている。そしてデジーは何の対処も出来ない。追い払えるのは、追われている当人であるキシカタだけ。彼の操る不可思議な術しか、デジーには耳慣れない言の葉の流れしか、『アレ』を追い払えない。
ぎり、と、デジーは唇を噛む。
眠っている間に、懐かしい夢を見た。
あの赤毛の少年とは、現在に至るまで親交がある。彼もどういう訳か(魔術師ではないが)結社に関わるようになっていて、今やお互い、以前とは違う名前を口にしている有様だ。デジーに至っては己の名前を思い出す事が出来なくなっているが、それでもずっと、親友でありつづけている。
彼からは、本当に多くの事を学んだ。あの後もずっと助けられた。
一度、いつも助けてもらってばかりで申し訳ない、と口走った事がある。すると彼は笑って言った。
「だって、お前友達じゃん。友達を助けるのは当たり前だろ」
その時は泣きたくなるぐらい嬉しかった。
だからデジーも、友人の危機には出来る限り駆けつけるようにした。お節介が過ぎると顰蹙を買ってしまうこともあったがそれでも、友人が困っていれば助けようとした。自分も助けてもらったから。助けてもらったことで、ここまで来る事が出来たから。
それだけに、今回は何も出来ないのが苦しかった。
キシカタが「俺を守らなくていい」というのが辛かった。
ただひたすら、もう『アレ』が来ませんように、『アレ』がオレ達を見失ってしまいますように、と、祈る事しか出来なかった。或いは神経を研ぎすませ、『アレ』の気配を探ろうとした。それすら無駄だと知っていた。
やり切れない気分になって、デジーはきつく、目を閉じた。
お知らせ
- 登録状況
- 【クエスト】 継続登録、メッセージ登録
- 精霊術の習得
- 結界:対射撃結界II を習得!
- 素質の開花
- HPアップ Lv1 を開花! [-1P]
→ 最大HPが上昇! [1200→1250]
- スキルの鍛練
- 鍛練によって 結界 のLvが上昇! [19→20]
- アイテムの購入
- 霊玉原石 Lv1 を購入! [-200GP]
- 【今回の抽選結果を表示】 【次回の販売アイテム一覧を表示】
- アイテムの精製
- 霊玉原石 Lv1 を精製!
→ 火炎付加 Lv1 を獲得!
- 装備品の強化
- 強化によって 主力 のLvが上昇! [8→9] [-900SP]
→ 攻撃 が上昇! [30→35]
→ 防御 が上昇! [40→45]
- メッセージ送信
- イオ [360] に 1件 のメッセージを送信!
クエスト
クエスト名 | 模擬戦−増幅・放出使用(HP10000) 【戦闘結果】 |
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パーティ名 |  | 彷徨う桜と逃げ水 [P-No.411] |
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メンバー |  | キシカタ [E-No.380] |  | デジー [E-No.411] |
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プロフィール
クラス | 魔術師 |
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種族 | 人間 |
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性別 | 男性 | 年齢 | 25歳 | 身長 | 182cm | 体重 | 70kg |
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異世界の魔術結社に所属している魔法使いの男。
こちらの世界を観察し、レポートするよう結社に命じられたため
びくびくしながらやってきた。
気が弱く根暗。いつもおどおどして何かにびくついている。
水を介して植物を操る魔法を得意とする。
ただし、操った植物は魔法を解くとその場で枯れてしまうのが欠点。
元々生えていた植物を使うと土地に与えるダメージが大きいため、
常に複数の植物の種を持ち歩いている。
気を抜くと、たまに頭のてっぺんからお花が生えている。
アイコン一覧
ステータス
HP | 火MP | 水MP | 風MP | 土MP | MP増加量 | スタミナ |
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1250 | 0 | 0 | 0 | 0 | 14 | 28 |
増幅 | 放出 | 治癒 | 結界 | 強化 | 操作 | 具現 | 中和 | 精製 |
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Lv0 | Lv0 | Lv3 | Lv20 | Lv0 | Lv0 | Lv0 | Lv0 | Lv0 |
素質
精霊術
術No | 系統 | 種別 | MPコスト | 対象 拡大 | 対抗 発動 | 術名 |
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火 | 水 | 風 | 土 |
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7 | 治癒 | 回復 | -- | 40 | -- | -- | ○ | ○ | 水界:睡蓮 |
38 | 治癒 | 活力 | 40 | -- | -- | -- | ○ | ○ | |
10 | 治癒 | 清浄 | 10 | 10 | 10 | 10 | ○ | ○ | |
11 | 結界 | 障壁結界 | -- | -- | -- | 40 | ○ | ○ | 緑界:葛藤 |
11 | 結界 | 障壁結界II | -- | -- | -- | 80 | ○ | ○ | 緑界:葛藤 |
161 | 結界 | 多重障壁 | -- | -- | -- | 40 | ○ | ○ | |
1378 | 結界 | 力場結界 | -- | -- | -- | 40 | ○ | ○ | |
1378 | 結界 | 力場結界II | -- | -- | -- | 80 | ○ | ○ | |
169 | 結界 | 封壁結界 | 40 | -- | -- | -- | ○ | ○ | 紫界:桔梗 |
169 | 結界 | 封壁結界II | 80 | -- | -- | -- | ○ | ○ | 紫界:桔梗 |
12 | 結界 | 反射結界 | 40 | -- | -- | -- | ○ | ○ | 黄界:向日葵 |
12 | 結界 | 反射結界II | 80 | -- | -- | -- | ○ | ○ | 黄界:向日葵 |
39 | 結界 | 保護結界 | -- | -- | 40 | -- | ○ | ○ | 紅界:薔薇 |
39 | 結界 | 保護結界II | -- | -- | 80 | -- | ○ | ○ | 紅界:薔薇 |
1521 | 結界 | 対射撃結界 | -- | -- | 40 | -- | ○ | ○ | |
1521 | 結界 | 対射撃結界II | -- | -- | 80 | -- | ○ | ○ | |
13 | 結界 | 浄化結界 | -- | 40 | -- | -- | ○ | ○ | |
56 | 結界 | 防護結界 | -- | -- | -- | 40 | ○ | ○ | |
56 | 結界 | 防護結界II | -- | -- | -- | 80 | ○ | ○ | |
124 | 結界 | 庇護 | -- | -- | -- | 40 | × | ○ | 身界:立浪草 |
124 | 結界 | 庇護II | -- | -- | -- | 80 | × | ○ | 身界:立浪草 |
123 | 結界 | 清浄結界 | -- | 40 | -- | -- | ○ | ○ | 藍界:矢車菊 |
装備品
主力: 片手 (武器) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | 総SP |
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 | 砂薔薇の短剣 柄に薔薇が彫り込まれた質素な短剣。元々は儀礼用だった。 |
| 9 | 4 | 35 | 45 | 10 | 4,500 |
スロット1 | フェイント Lv1 |
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スロット2 | 腐食 Lv1 |
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スロット3 | 必中 Lv1 |
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補助: 盾 (防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | 総SP |
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 | 虚ろな四分の一 薄いあかがね色の金属を伸ばして作った盾。叩くとちょっと間が抜けた音がする。 |
| 7 | 3 | 0 | 70 | 0 | 2,800 |
スロット1 | 精度アップ Lv1 |
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スロット2 | 土MPアップ Lv1 |
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スロット3 | 素早さアップ Lv1 |
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防具: 中鎧 (防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | 総SP |
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 | 北海の護衣 いつも着ている黒いコート。持ち主の魔力を高める力を持つ術具。 |
| 9 | 4 | 0 | 90 | 0 | 4,500 |
スロット1 | 飛行 Lv1 |
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スロット2 | 防御力アップ Lv1 |
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スロット3 | ヒールスロット Lv1 |
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| 攻撃力 | 命中力 | 受け 防御力 | 受け 成功力 | 防御力 | 回避力 |
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主力 | 132 | 110 | 72 | 55 | 174 | 100 |
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補助 | 0 | 0 | 153 | 100 |
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同調値一覧
霊玉名 (防具) | 同調値 |
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防御力アップ | 5 |
素早さアップ | 5 |
麻痺耐性 | 5 |
飛行 | 5 |
ヒールスロット | 5 |
霊玉名 (武器・防具) | 同調値 |
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精度アップ | 5 |
土MPアップ | 5 |
霊玉名: 【青字】 同調値は上昇可能 / 【赤字】 同調値は上限に達している
所持アイテム (20/25)
No | 種別 | 装備 | アイテム名 | 価値 |
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1 | 霊玉 | 主1 | フェイント Lv1 (武器) | 100 |
2 | 霊玉 | 主2 | 腐食 Lv1 (武器) | 100 |
3 | 霊玉 | 主3 | 必中 Lv1 (武器) | 100 |
4 | 霊玉 | 補1 | 精度アップ Lv1 | 100 |
5 | 霊玉 | 補2 | 土MPアップ Lv1 | 100 |
6 | 霊玉 | 補3 | 素早さアップ Lv1 (防具) | 100 |
7 | 霊玉 | 防1 | 飛行 Lv1 (防具) | 100 |
8 | 霊玉 | 防2 | 防御力アップ Lv1 (防具) | 100 |
9 | 霊玉 | 防3 | ヒールスロット Lv1 (防具) | 100 |
10 | 霊玉 | | 睡眠付加 Lv1 (武器) | 100 |
11 | 霊玉 | | 火炎付加 Lv1 (武器) | 100 |
12 | 霊玉 | | 水冷付加 Lv1 (武器) | 100 |
13 | 霊玉 | | 腐食 Lv1 (武器) | 100 |
14 | 霊玉 | | 結界斬 Lv1 (武器) | 100 |
15 | 霊玉 | | 治癒力アップ Lv1 (防具) | 100 |
16 | 霊玉 | | 麻痺耐性 Lv1 (防具) | 100 |
17 | 霊玉 | | 火炎耐性 Lv1 (防具) | 100 |
18 | 霊玉 | | 不屈 Lv1 (防具) | 100 |
19 | 霊玉 | | 火の支配者 Lv1 | 100 |
20 | 霊玉 | | 水の支配者 Lv1 | 100 |