E-No.905
![]() | 本名:レグナイ・スピラティカ 通称:レグ |
- 一言メッセージ
- 精霊兵最後の一体の動きがピタリと止まり微動だにしなくなった。
精霊協会に入って初めての戦闘が終わった。
依頼主のヘルミーネが停止した精霊兵に駆け寄りながら何か呟いている。
精霊協会に入ってからの初戦闘は難なく終わった。
相手は人工物である為、手加減を一切考えないで良いというのも比較的楽に終わった原因だろう。
「レグ、さんきゅ。助かった。」
ヴェルのお礼に振り返って、目をパチパチとさせてしまう。
初めて出会った時の印象がまだ抜けきっていないのか。それとも別の何かがあるのか。
ヴェルの素直な礼や挨拶に戸惑い、照れてしまう自分がいる。
「こちらこそ。ヴェル、ありがとう。俺達初めてにしては良いコンビネーションだったな。」
なるべく動揺していることが伝わらないように自然な風を装ってお礼を返した。
お互いにお礼を言い合う清々しい気持ち良さを感じながら。
依頼が終わり、報酬として手渡されたものを見る。
石・・・?
いや、ただの石ではなく不思議な力を感じる。精霊石の欠片というものらしい。
こんな小さなもので、さっき戦った精霊兵が動くというのだから驚きだ。
同じく報酬を受け取ったヴェルを見ると、ヴェルも精霊石の欠片をじっと見て何やら考え込んでいるようだった。
依頼を終え、俺とヴェルは宿に戻った。
部屋に戻ると、すぐに俺はベッドにこの町の地図を大きく広げた。
「さて、目的を達するにはまずは情報を集めないとな。始めにここ周辺で関連する伝説や話がないかどうかを調べるか。」
「図書館は・・・ここか。」
地図の中の図書館を示す位置に人差し指でグリグリと円を描き、宿からの道筋を指でなぞっていく。
指でなぞる事で道筋と場所を頭に叩き込んでいく。
ペンを使っている訳ではないので、勿論地図は買った時のまま新品同様の綺麗さだ。
わざわざペンを使わず指でなぞるだけなのは、他の物に見られても不自然でないと思ったからだった。
「そう遠くない距離だな。今度時間のある時に行ってみるか。」
算段を決めた時、ノックの音がした。
この音はおそらくヴェルだろう。
今になって慌てて地図をしまうとかえって怪しいので、地図はそのままにしておいた。
「どうぞ。」
ヴェルがドアを開け部屋の中に入ってくる。
予想通り、ノックの主はヴェルだった。
「地図?」
ベッドの上に広げている地図が目に入ったようだ。
大きく広げているので、いやでも目に留まる。
「俺は来たばかりでここを全然知らないから、重要な所だけでも頭に入れておきたいんだ。」
ヴェルの疑問に一番あたりさわりのないであろう答えを返す。
騙しているようで心苦しさを覚えないこともなかったが、今はまだ本当のことを言えなかった。
この答えに納得したのかは分からないが、
そして、なにげない動作で俺の前に精霊石の欠片を置いて言った。
「一人が交換して持っている方がいいと思うんだ。」
確かにヴェルの言う通り、一人が交換して持っている方が良いかもしれない。
依頼を受けた時に耳に入った話では、欠片と交換出来るものは受け渡しできるか分からないらしいということだった。
それにヴェルはあまり精霊協会のある場所に良い思いを抱いていないのかもしれない。
それらを考えるとヴェルの提案は理に適っているように思えた。
「そうか、確かにな。」
と、短く答えて受け取る。
「あ、ヴェル、ちょっと待ってくれ。次の依頼はどうする?依頼は昨日と全く同じだな。今日受けた精霊兵研究所か、隊商の護衛だ。」
精霊石の欠片を俺に渡して部屋に戻ろうとしたヴェルを引きとめる。
「もう一回同じってのもな・・・この欠片をもう一回集めるのも悪くないけど、護衛も大事な務めだしな・・隊商護衛にするか」
「どうした?酷く憂鬱そうに見えるが。気乗りしないなら今日と同じでも良いんだぜ。」
ヴェルの様子が
「俺、人間が多いところは苦手なんだ。それに、どうせいつかはやらないといけないんだし。」
人間の多い所が苦手?それだけで傍目から見て分かるほどに憂鬱になるものだろうか?
それに精霊協会に入り依頼をこなすということは人の多い場所は避けられない。
あまりにも訝しく思ったのか、自分でも怪訝そうな顔をしているのがよく分かる。
「人間が多い所は苦手と言っても、なんでわざわざ難関の試験を受けてまで精霊協会に入ったんだ?そこまでする理由があるのか?」
そして、その疑問をそのままヴェルにぶつけてしまった。
「ん・・・今はまだ言いたくない。ダメか?俺達まだお互いのことを知らなすぎる。レグは「ヒト」だから信じていいと思ってるんだけど、親切な「ヒト」でも理解してくれなかったら病気扱いされちゃいそうだからさ。」
思わず疑問をぶつけてしまったのにも関わらず、ヴェルは疑問への答えは言わなかったが落ち着いた口調で話してくれた。
ヒト?病気?多少引っ掛かる言葉があったが、ヴェルから話してくれるまで聞かないことに俺は決めた。
「分かった、それなら言える時になったら言ってくれれば良いさ。気にするな、俺もヴェルにまだ言えないことがあるしな。お互い様さ。」
先程ヴェルが部屋に入って来た時のことを思い返す。
そう、俺もまだ言えないことがある・・・お互い様なんだ。
「さて、明日のことが決まったところで。少し早いけど、そろそろ夕飯食べに行こう。今日は夜パーティで1階が貸し切られるみたいだから早めらしい。」
重苦しくなった空気から少しでも離そうと話題を変えて場所を離れる。
しかし思惑通りに事は運ばず、夕食も重い空気のまま進んだ。
女将がパーティの料理の準備にかかっていたので、ヴェルと二人っきりだったのもあるかもしれない。
何はともあれ、こちらから何か話してもヴェルのところで会話が途切れてしまう為、諦めて食事に集中するしかなかった。
夕食が終わりそれぞれ部屋に戻る時も、重苦しいものが心に乗っかっていた。
夕食後、気分転換も兼ねて散歩ついでに精霊協会へ依頼を受けに行く。
ヴェルの様子が気にかかったが、結局隊商護衛の依頼の書類に受諾のサインをした。
酒でも飲んだら少しは紛れるだろうか?
そんなことを考えつつ帰りに酒とつまみに出来そうな豆を買って帰る。
宿に帰ってから女将に頼み厨房を少しだけ借りて、つまみを作った。
辛いので有名な赤い実を少量、それを豆と一緒に鍋で煮込み、その後荒熱をとり水を切る。
最後に塩、油、それにピリッとスパイシーな香辛料をさっと振れば出来上がりだ。
出来たつまみと酒を持ってヴェルの部屋へと向かった。
強引ではあるが、少しでも気晴らしになればと思ったからだ。
軽くノックをする。
「ヴェル、今いいか?」
「どうぞ。」
タオルを腰に巻いただけの、どうやら風呂上がりらしいヴェルが迎えてくれた。
そして、鍵のようなものをぶらさげたネックレスが目に入る。
「ああ、風呂上がりだったか。ん?珍しいネックレスだと思ったが、それは鍵・・・か?」
「ん?これは俺が家に帰る時に必要なある場所を通るための鍵だよ。大事なものだから肌身離さずもってるんだ」
「へぇ・・・大事な鍵なんだな。」
家が何か特別なところにあるんだろう、とこの時は深く考えなかった。
それよりも両手に持っている物の方が重要だったからだ。
「それはそうと、酒とつまみを持ってきたんだ。ヴェルは飲めるか?」
「まぁまぁ。呑めないわけじゃないけど、うわばみってほどじゃないよ。」
それなら構わないなということでグラスを用意し酒を注いでいく。
酒の肴という訳でもないが、今日の戦闘を思い返していた。
「ヴェルの始めに出した技凄かったな、使い慣れてないようには全然見えなかった。あれどうやってるんだ?」
「あぁ、これ?」
ヴェルが刀を抜く。
刀は礫にならず凍っていった。
それは今までに見た覚えがないようなもので、驚きとしか言いようがない。
「俺の一族は子供の頃から水を扱うことに長けていてな、この刃はもともと水なんだ。それをこの形にしているだけ。凍らせるのはこっちの(そういってもやもやした篭手のような物を見せる)災渦の力だよ。これは一種の魔具なんだ。生まれつきのところもあるから他の人には伝授できないんだけど・・・。
レグの笛もすごいじゃん。あれこそどうやってるのさ。」
感心した顔で相槌を打っていた俺にヴェルから質問が投げかけられる。
「これか?」
グラスを置き笛を取り出す。
「俺の家は代々、祭りの時や儀式の時に女神様に音楽を奉納する神官の家でな。その所為か、演奏で精霊に働きかけることが出来るんだ。で、精霊に働きかけて神聖術・・・これは神官が使う術なんだが、を強化しているんだ。
回復術も攻撃術も、神聖術の治療術や力をぶつける術を精霊に働きかけて強化してる。
精霊に働きかける演奏は人によって違うんだが、俺は笛だな。」
そして気分も良く折角出したのだから、と笛を吹くことにした。
木で作られた横笛は素朴な音を奏でていく。
ヴェルがそっと歌を口ずさむ。
夕食のことが嘘だったかのような楽しい夜。
ヴェルの歌と自分の演奏が合わさり心地よい。
歌と笛の協奏を破ったのは女将さんのノックだった。
遠慮がちに上がってきたのか、ノックも控えめだった。
「レグさん、ヴェルさん、ちょっとえぇかしら。下のレストランのお客さんがその笛の曲を聞きたいって言うてはるんやけど」
「ん、良いよ。ビアパーティで賑わってるなら結構貰えそうだしな。宿泊費の充てにさせてもらおうか。」
パーティでそれなりに人はいて上手くいけば稼げるだろうし、女将の頼みを断るのも気が引ける。
それに久々に楽しい演奏をして気分も良くなっていたので、俺は受けることにした。
「俺は酔っているし、もう寝るよ」
ヴェルは寝ることにするようだ。
「じゃあ、行ってくる。おやすみ、ヴェル。」
お開きにしてしまい悪い気もしたが、ヴェルにおやすみを言って俺は女将と共に1階のレストランへと向かった。
1階では予想通り、大勢の人がパーティを楽しんでいた。
これなら金もそこそこ入りそうだな、と算段を立てながら明るい曲を中心に奏でていく。
演奏は概ね好評で宿泊費以上に稼がさせてもらった。
ビアパーティが終わった後、風呂でゆっくりとその日の疲れと汚れを落とす。
そして、部屋に戻ってすぐさまベッドに飛び込み深い眠りに就いた。
夢・・・
人魚が歌い、俺が横で笛を奏でる。
いつか前にあったこと、その時の夢。
二日続けて人魚の夢を見るなんて良いことがあるものだ。
今日の夜の出来事が久々に楽しいものだったから、この夢を見たのだろうか。
それにしてもヴェルは歌が上手かったな。
朝、またも夢見が良くすこぶる気分の良い朝を迎えられた。
昨日の夜のことが少しでもヴェルの助けになっていれば良いが、と案じる。
自分から話すまで理由を聞くつもりはないが、どうしてもヴェルが依頼をこなすにあたって大丈夫か気にかかってしまう。
しかし依頼は受けてしまった以上、こなさなければならない。
「何かあったら俺がサポートすれば良いさ。よし、行くか。」
念の為に食糧を数日分、他は一泊分の支度をし、部屋の扉を開け出発した。
お知らせ
- 登録状況
- 【クエスト】継続登録、戦闘設定登録、プロフィール登録、精霊術設定登録、サブクエスト登録
- 精霊術の習得
- 治癒:再生 を習得!
- スキルの鍛練
- 鍛練によって 治癒 のLvが上昇! [2→3]
- サブクエスト:精霊兵研究所(ヘルミーネ)
- 精霊兵の破片 をポイントに交換! [+150P]
精霊兵の破片 をポイントに交換! [+150P]
- 装備品の強化
- 同調によって 主力 のLvが上昇! [1→2]
→ 攻撃 が上昇! [5→13]
→ 精度 が上昇! [5→7] - 同調によって 補助 のLvが上昇! [1→2]
→ 防御 が上昇! [5→10]
→ 精度 が上昇! [5→10] - 同調によって 防具 のLvが上昇! [1→2]
→ 防御 が上昇! [4→7]
→ 精度 が上昇! [6→13]
トレード
- ヴェル [898]
- 精霊兵の破片 を受け取りました!
これ頼む。
クエスト
クエスト名 | 精霊街道−隊商護衛【戦闘結果】 | |||
---|---|---|---|---|
パーティ名 | ![]() | 第905パーティ [P-No.905] | ||
メンバー | ![]() | ヴェル [E-No.898] | ![]() | レグ [E-No.905] |
プロフィール
クラス | 命奏師 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
種族 | ブラクエイ人 | ||||||
性別 | 男性 | 年齢 | 26歳 | 身長 | 177cm | 体重 | 70kg |
とある国の離島ブラクエイの出身。
この島はその環境からか独特な生態系を有しており、住民の殆どが自然主義で島独自の宗教を信仰している。
その宗教とは生を尊しとする女神を信仰するもので、生き物は死んだ時に死の泥が出るとし、その死の泥が着くものを忌避するといった考え方である。
その宗旨から、信徒は動物の肉や卵の摂取はおろか、動物の皮などの死んだ動物を使った製品は一切使わない。
生まれた時から身近にあったのもあり、自然とレグもこの宗教を信仰していった。
その為、レグも菜食主義で皮製品などを身に着けない。
レグが20歳になり成人を迎えた時、旅立ちを決意。
幼い頃に芽生え高まり続けた外の世界への関心もあったが、何よりも約束を果たす為だった。
旅の途中、偶然出会った人魚の女の子に恋をする。
消息を知りたかったが、特に有力な情報は得られなかった。
精霊なら知っているのでは、と思い、精霊協会の扉を叩く。
生まれ育った環境からなのか、信仰している宗教からなのか分からないが、ある人魚の守護涛霊の声を微かではあるが聞くことができる。
衣装は若干暗めの青の長袖のジャケットまたは短めのローブ、薄紫がかった白のシャツ、黒かグレーの長ズボンなど、素朴で地味な色合いのものが多い。
素朴で地味な衣服には珍しい銀のネックレスは島を出た後に買った物。
本人は派手かなと思い、内心ドキドキしているらしい。
趣味は料理、フルートの演奏、木彫り細工。
この島はその環境からか独特な生態系を有しており、住民の殆どが自然主義で島独自の宗教を信仰している。
その宗教とは生を尊しとする女神を信仰するもので、生き物は死んだ時に死の泥が出るとし、その死の泥が着くものを忌避するといった考え方である。
その宗旨から、信徒は動物の肉や卵の摂取はおろか、動物の皮などの死んだ動物を使った製品は一切使わない。
生まれた時から身近にあったのもあり、自然とレグもこの宗教を信仰していった。
その為、レグも菜食主義で皮製品などを身に着けない。
レグが20歳になり成人を迎えた時、旅立ちを決意。
幼い頃に芽生え高まり続けた外の世界への関心もあったが、何よりも約束を果たす為だった。
旅の途中、偶然出会った人魚の女の子に恋をする。
消息を知りたかったが、特に有力な情報は得られなかった。
精霊なら知っているのでは、と思い、精霊協会の扉を叩く。
生まれ育った環境からなのか、信仰している宗教からなのか分からないが、ある人魚の守護涛霊の声を微かではあるが聞くことができる。
衣装は若干暗めの青の長袖のジャケットまたは短めのローブ、薄紫がかった白のシャツ、黒かグレーの長ズボンなど、素朴で地味な色合いのものが多い。
素朴で地味な衣服には珍しい銀のネックレスは島を出た後に買った物。
本人は派手かなと思い、内心ドキドキしているらしい。
趣味は料理、フルートの演奏、木彫り細工。
ステータス
HP | 火MP | 水MP | 風MP | 土MP | MP増加量 | スタミナ | 素質P | GP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 200 |
増幅 | 放出 | 治癒 | 結界 | 強化 | 操作 | 具現 | 中和 | 精製 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 3.82 | 0 | 0 | 0 | 1.31 | 0 | 0 |
精霊術
術No | 系統 | 種別 | MPコスト | 対象 拡大 | 対抗 発動 | 術名 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
火 | 水 | 風 | 土 | ||||||
7 | 治癒 | 回復 | -- | 40 | -- | -- | ○ | ○ | 命奏術『ヘイルン』 |
8 | 治癒 | 再生 | -- | -- | 40 | -- | ○ | ○ | |
22 | 具現 | 精霊召喚 | 10 | 10 | 10 | 10 | × | × | 命奏術『ハヤルプ』 |
装備品
主力:両手(武器) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 13 | 0 | 7 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
補助:補具(防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 10 | 10 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
防具:軽装(防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 7 | 13 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
攻撃力 | 命中力 | 受け 防御力 | 受け 成功力 | 防御力 | 回避力 | |
---|---|---|---|---|---|---|
主力 | 135 | 108 | 50 | 54 | 99 | 124 |
補助 | 0 | 0 | 0 | 0 |
所持アイテム (0/25)
No | 種別 | 装備 | アイテム名 | 価値 |
---|---|---|---|---|
所持アイテムはありません |
サブクエスト | ポイント |
---|---|
精霊兵研究所(ヘルミーネ) | 300 |