E-No.209
![]() | 本名:スーヴナンス 通称:スーヴナンス |
- 一言メッセージ
――布売りのマルクスは疲れの滲んだ溜め息を吐き、手近の平らな岩に腰掛けた。
アルベルトの率いる馬車に乗り合わせるのは、駆け出しの彼にとって初めてのことだった。今までに経験したより随分長い旅程で、街を出てから四日経つが、まだこれで半分も進んでいない。
出立の前夜、しつこいほどに確認した装備や商品に遺漏は無かった。…無かったが、それでもそこはかとない不安が、ひたりと心臓の裏側に張り付いているような感じがする。
(緊張して疲労するばかりでは、折角の入念な準備が泣くぞ。臆病トリィめ)
自分で自分を励ます。馬鹿げていると、普段だったらそれを笑う方なのだが、今はそうせずにはいられなかった。
訳もなく怖がっているのではなく、彼の漠然とした不安には一応理由がある。
隊商は普通、商人と商品のため以外にもう一台、護衛の馬車を連れて行く。いくら整備された街道でも運が悪ければ野盗は出るし、それよりもっと頻繁に魔物に出くわすからだ。
護衛は“馴染み”の傭兵のこともあるが、殆どの場合は精霊協会に依頼し、斡旋してもらうことになる。厳しいと評判の試験を潜り抜けたらしい協会所属の冒険者たちは、なるほど屈強な戦士や威厳に満ちた魔術師ばかりで、今まで数度経験した旅路では、マルクスも彼らのことを心から信頼し、夜は安らかに眠った。
――しかしだ、とマルクスは視界の端を見やる。
確かに今回も、屈強な女戦士が一番最初に挨拶に来た。少々…いや、正直かなり常人離れした外見をしてはいたが、まあこの世の中では珍しくない異種族の一人、ということなのだろう。あちこちの傷跡や縫い目のようなものが痛々しいが、武勲の証と思えば恐ろしいばかりではない。
磨き抜かれたブレイサーにも、うっかり震えあがるほど迫力があった。これは頼りになりそうだ、と若干怯えながらも安堵していると、次に宝石商だと名乗る男――普通の人間だ――が、簡単な握手を交わして馬車へ入った。商人の護衛に商人とは、彼は護衛というより隊商の一員なのではないかと一瞬思ったが、ちらりと衣服の隙間から覗いた獲物は使い込まれた様子で、決してお飾りではないと知れた。
そして、次に来た女性にマルクスは目を剥いた。…数秒の後には、無理矢理その目を逸らせた。何故なら、彼女は殆どまともな衣服らしいものを纏っていなかったので。
額に象牙色の美しい角を頂いた彼女が、これまた人ならぬ存在であるということは、マルクスにもすぐに知れた。だから、その悩ましい装いはきっと彼女の種族の規範か習慣なのであり、無暗に何か言うこと、或いはじろじろと不躾に見ることは失礼なのだろうと思い、彼は努めて黙した。
…きっと魔術師だろう。屈強な女戦士と、隙の無い宝石商、それからこの後に続くもう一人に守られながら、悠然と大気だの水だのを操ったりするのだろう。うん。そうに違いあるまい。
…で、もう一人だ。と目をやって、マルクスは今度こそ不安に襲われたのだった。
こいつが一番意味不明だ、と視界の端を眺めながら思う。――その“こいつ”は、若い人間の男だった。少なくとも一見そう見えた。
マルクスよりは年上のような気がするが、実際の年齢はというと、手元の簡易な書類には一言“不明”と書かれていた。…不明って。異種族でもあるまいに、一体どういう事情持ちなのか。あまり考えたくなかったので、まあ取り敢えずそこはいい。ということにする。
にっこり笑ってよろしくと言った彼は、癖のある金髪で顔を半分隠した――という段階で既にやや胡散臭いのに、その首筋から右の頬にかけて、薄気味悪く赤黒い痣を持つ男だった。火傷だろうか。鬱陶しい前髪の間から見えるのは左目だけで、そのラヴェンダー色の目は穏やかに笑んでいるが、どうにも覇気がない。
何故だろう、気味が悪い顔だ、とマルクスは心の中でおぞましく思った。痣の所為だけでなく、どこかにどうしようもない違和感を感じるが、それが何かが判らない。
気味が悪い、けれど、それだけで偏見を持つのはよくないと思い直して、態度では堪えた。もしかしたら今までの冒険で、何か途轍もない不幸に見舞われたのかもしれない。
強烈な印象の顔から、衣服に目を移す。…上等な布地を使った、贅沢なものだと一見して知れた。ただし、頭に“元”が付く。
錆びない筈の金の釦は、まるで何十年も潮風に晒されたように薄らと灰色に曇り、輝きは酷く鈍っている。柔らかいカシミヤ地のショールも、その下の漆黒のカソックも(…ということは、彼は神父か?)、繊維がもう擦り切れて、折角の起毛が台無しである。
唯一、手袋だけは新しい品物のようで、いやに艶めいて光っていた。…安い模造絹なのだろう。
思わず商人の目で値踏みしていると、男は「どうしました?」と笑顔で慇懃に訊いた。
そうして挨拶をして名乗る男に、マルクスは軽く眩暈を覚えた。…なんだその拙い、まるで子供のような口ぶりは。これが本当に百戦錬磨の、いや新米だったとしても、本当に協会所属の歴とした、難関と呼ばれる試験を勝ち抜いた冒険者だろうか?
こんな、街中でも不自由のありそうな人物が、一体隊商の護衛などという場面でどう役に立つつもりなのだろう――
初対面から思い切り胡乱な目を向けたマルクスにも、男は頓着せず親しげに接した。
薄らとした微笑を絶やさず、愛想よく誰とでも丁寧に話し――それがまた不気味なのだ、とは気の毒で流石に言えないマルクスだった。
◇
ところで、ここまでの旅程は実に平和だった。
男――スーヴナンスとか言ったが、彼や彼の仲間たちが実力を発揮する機会などなく、彼らがどう思っているかは知らないが(やや退屈そうな表情にマルクスには見える)、隊商にとっては僥倖だ。
今、夕暮れの薄暗がりの中で銘々に過ごす一行の中、座り込んで回想していたマルクスの隣りで、件のスーヴナンスが小さなノートに、何事かを一所懸命書いている。そのノートもまた、彼の服と同じような年代物(何とやさしい言い方だろう)に見えた。日に焼けてしまった、薄茶色の革表紙。
…気味が悪いだの、頼りないだの、散々なことを思ってからこういうのも何だけれど、そう言いながらもマルクスは、ここ数日で彼に妙な親しみを覚えていた。
だって黙っていたって、あっちが喋りまくるのだ。決してうるさいような声のトーンではないのだが、やれあちらに変わった鳥がいた、あちらに珍しい花が咲いていたと、馬車で街道を走っているだけでよくもまあ、と思うほど彼は飽きもせず話題を供した。
お蔭で、彼が全く無邪気な心持で日々を過ごしているらしい、と今ではマルクスも奇妙に納得していた。――見たもの感じたものを、全く吟味せずに口にするのだ。頼りないのと、違和感を拭えない佇まいは相変わらずだが、まるで外に出たばかりの子供と同じだ、と思えるようになってようやく彼も、一々薄気味が悪いと苛立つことがなくなった。
だから、それはちょっとしたお詫びというか、歩み寄りのつもりだった。
「…何を書いているんですか?」
じわじわと隣りまで寄って行き、邪魔をしてしまわないように静かに覗き込む。鼻先を彼の細い金髪が掠めて、…何の香料だろう? 爛熟した百合のような、いいとも悪いとも判じ難い微妙な香りがした。
四日目にして初めて覗き込んだノートには、…ぱっと逆さから見ただけでは何語だかも判らない、とんでもない悪筆――もしくはマルクスにとって未知の言語で、何事かが記されている。
と、次の瞬間、
「わ!」
ぱん!とノートが閉じられて、マルクスは軽くのけぞった。
遅れて、今の間抜けな悲鳴が、目の前の男の声だったことに気付く。
――見られて、隠した?
呆気にとられたままスーヴナンスの顔を覗き込むと、…驚くことに、と言うべきか、彼は首筋から額、耳の先まで鮮やかに朱に染めてこちらを見返していた。
「よ…読みましたか」
「え?」
ノートの中身を読みましたか、と何故か必死にスーヴナンスが訊く。一体何を書いていたんだ、と思いつつ、いいえよく見えませんでした、と素直に返した。
「…そんなにマズいこと書いてたんですか」
「え? い、いいえ。ただの日記です」
「……そうは思えないリアクションなんだけど」
「ほんとうです、音読したっていい。今日のページの頭から…『四日目、今日もすばらしい陽気に恵まれて」
「あー、いいですいいです。判りましたから」
手を振って止めさせると、心なしかがっかり顔でスーヴナンスは口を閉じた。…読みたいのかよ。
「でもそれだったら、んな必死に隠さなくたっていいじゃないですか」
「だって…、うまく書けないのです」
「文章が? 日記なんだし、覚え書きって誰だってそんなもんでしょ」
「いえ…、…あの…字が……」
ん?と自分が見たものを思い返して、マルクスはあれが標準語だった可能性について考えた。…確かに、想像以上に、駄目だ。サイズは普通か小さいくらいだが、縦線の角度が安定せず、筆圧もまちまち。直線やカーヴがうまく引けているところは頁に1か所あるかないか――子供でも上手い奴ならもっと上手に書くな、という感想しか浮かばない。
「…練習中なのです」
「…そうみたいっすね。左利きなんですか?」
「いえ? 右利きですよ」
「んじゃ、右で書かないからでしょう」
てっきり左利きなのだと思っていたと言うと、スーヴナンスはあの薄ら笑いで首を振った。
「右は…わたし、首にやけどのような痣があるの、ご存知ですね?」
「あー…まア、見えますからね」
「これ、顔にも続いていますが、腕を伝って手の方もなのです」
「………そいつは、大変な怪我でしたね」
何でもないことのように言うが、それはもしかして瀕死の重傷だったのではないか、と他人事ながらマルクスは空恐ろしい気持ちになった。
「右手はそうなって以来、あんまり器用なことが出来ないのです。…握手も、左です。そんな手でご挨拶するのは、あまり気持ちのいいことではないでしょうから」
にこにこ笑いながらそう言う。
――マルクスは、なんだか腹が立った。
勝手なことだ。自分だって、その痣や立ち居振る舞いを、気持ちが悪いと内心斬り捨てていた。
それなのに、諦めたようににこにこしている目の前の男に、今無性に腹を立てている。
「…そんな風に、言わないでやって下さいよ。あんたの右手でしょ」
「? ええ、私の手です。…? すみません、よく意味がワカラナイ」
「…いや、いいです。こっちの話。――ね、字ィ教えてあげましょうか」
「ほんとうですか?」
ぱっ、と照明でも付けたように、戸惑っていた顔が一瞬で明るくなる。ラヴェンダー色の目は相変わらず覇気がなくて、でももう不思議と恐ろしくはなかった。
――ああ、そうか。
俺、この人のことが怖かったのか。
「俺もそんなに、上手いわけじゃないけど」
「いいえ、うそ! わたし見ました、あなたの目録と、さいごのサイン。すごくきれいだった。商人の方は、きれいな字のひと、多いですね。大文字と小文字の分け方、ぜひ教えてください」
「そこから?まじで? …まア、いいですけど」
何せ、旅路はまだ半分以上もあるのだから。
木陰で帰るタイミングを計っていたアルベルトは、あの愛想のない新入りが随分世話焼きになったもんだ、と声を出さずに笑った。
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変なモブが出張り過ぎました IF!IF!
PTMリコラ(500)さん、カーロヴァ(680)さん、ジョルド(928)さん、そしてNPCアルベルトさん それぞれちょっとだけ拝借致しました。
お知らせ
- 登録状況
- 【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録、精霊術設定登録
- 精霊術の習得
- 治癒:再生 を習得!
- スキルの鍛練
- 鍛練によって 治癒 のLvが上昇! [1→2]
- GPの送付
- ジョー [928] に 100GP を送付!
- 装備品の強化
- 同調によって 主力 のLvが上昇! [1→2]
→ 攻撃 が上昇! [2→5]
→ 精度 が上昇! [8→15] - 同調によって 補助 のLvが上昇! [1→2]
→ 攻撃 が上昇! [2→5]
→ 精度 が上昇! [8→15] - 同調によって 防具 のLvが上昇! [1→2]
→ 防御 が上昇! [5→10]
→ 精度 が上昇! [5→10]
- メッセージ送信
- いのち [15] に 4件 のメッセージを送信!
ハダル [70] に 6件 のメッセージを送信!
レディアン [262] に 6件 のメッセージを送信!
キヤ [263] に 6件 のメッセージを送信!
ゼーレ [269] に 5件 のメッセージを送信!
クラージュ [690] に 2件 のメッセージを送信!
メッセージ
- メイガス [41]
――おっと。 (声と共に不意に横切る人影の邪魔にならないよう身体を少し斜めにする。
忙しい奴もいるもんだと義妹が暢気な声を上げていると
先ほど通り過ぎた男が戻ってくるではないか。
二人は顔を見合わせ首を傾げた。)ああ、いえ。大丈夫ですよ。
こういう場所でバランスをとるのは慣れてもいますので。おうおう、名前のわかんねー兄ちゃんよー
ぶつかったからにはそれ相応の弁償ってもんがだnやめんか。 (義妹の後頭部をはたき黙らせていると腕をへと手を伸ばされていた
補助のつもりなのだろう、よくよく相手の衣類を観察してみると
あまり見かけない装飾が施された司祭平服にも見えた。)こんなところに名探偵がいたものですね、その通りです。
かまいませんが…急がれていたのでは?牧師様。いいんじゃねーのー?
ところで"まどもあぜる"ってなんだ?マドレーヌみたいなもんか??……なんかすいません、スーヴナンスさんですか。
丁寧に有難う御座います、私はメイガスと言います。
こっちは義妹のナナ。ナナっていうんだってさー、よろしくなのだ牧師!
- リリス [80]
(ひらひら、と何かが貴方の頭上を通過していった。)
(それは空を雄大に、ゆっくりと確実に風に運ばれていた。)
(そのピンクは人の視線もお構いなしに風と共に流れていった……。)
(それを追いかけるようにして少女が走ってきた。)ーー、ハァ、ハァ、……。
ーー、あ、あの、す、すみません、……。
ーー、こ、こっちに、あの、その、……。
ーー、し、下着、飛んできませんでした、か、?
(少女は言い終えると俯き、息を整えようとしている。)
- リビ [164]
- 肩は少し痛むが動かないわけではなさそうだ。
それよりも相手の男の方がダメージが大きいのでは?
少し身を引きながら少年は相手の男を見やった。
品のいい服装をしている。
しかしその顔の。
隠された右の髪の奥。
そして。 (甘い匂い……) え、と
僕はリビドだよ。
おにーさんも精霊協会の人?それよりも、おにーさんの方が大丈夫?
ごめんね。僕がボーッとしていたせいだね。- スーヴナンスの袖に触れながら少年は彼の具合を伺おうとした。
その時、僅かな手袋と袖の隙間。
素肌の部分に触れた瞬間。
少年はビクリとその手を引いた。
彼の身体はとても冷たかった。
人の体温がない。
少年は引いた手を、再びスーヴナンスの袖に沿わせながら
同時に彼の顔を仰ぎ見た。
- ヒス [200]
- 女らしき姿の者が、擦れ違い様に振り向いた
あなたに興味があるのか、じいっと見ている
ただ、その視線はどこか曖昧だ
「同じ言葉を使うはずの髪なのに、どうしてこうも違うのかしら」
反応を返すのが面倒だと思えば、スルーしていい
その時はきっと、フラフラと、どこかへ行ってしまうだろう
- トレゾア [498]
「精霊協会なら…今から俺も行くところだが」
見た目にそぐわない幼い言動に少し戸惑いつつも、男はぶっきらぼうに答えた。「なんなら一緒に行ってやってもいいが…とりあえず新しい地図を買った方がいいだろうな」
呆れた様子でそう言うと、男は貴方を怪訝そうな顔で一瞥し先を歩きだした。
- カーロヴァ [680]
差し出された手に……その差し出す所作に、わずかに眉根が寄せあがるも
すぐさま表情は元の色を取り戻した。
- ジョー [928]
- 差し出された左手を、とりあえず握り返して…
- アーども、ご丁寧に。これから長ぅつきあっていくんやし、ボクんことは気安くジョーって呼んでくださいよ。
しかし苗字がないんは、珍しいっすな…もしかして、高貴な生まれの方やったりします?
クエスト
クエスト名 | 精霊街道−隊商護衛 (2)【戦闘結果】 | |||
---|---|---|---|---|
パーティ名 | ![]() | メス・ガリオイ [P-No.500] | ||
メンバー | ![]() | スーヴナンス [E-No.209] | ![]() | リコラ [E-No.500] |
![]() | カーロヴァ [E-No.680] | ![]() | ジョー [E-No.928] |
プロフィール
クラス | さまよい人 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
種族 | アンデッド | ||||||
性別 | 男性 | 年齢 | ???歳 | 身長 | 177cm | 体重 | 56kg |
不運な不死者。生前の記憶の一切を喪い、ただ死の瞬間だけを憶えている。
ある不死者に殺された後、その不死者に「甦され」仮の名前を与えられた。
「名前? スーヴナンスといいます。本当のは、忘れてしまいました」
「アー、右目は、ご覧にならない方がよいと思います。手袋のなかみも」
殺害されてから甦されるまでに長い時間を経た為か、肉体の一部が損傷しているのに加え知能がかなり退行しており、複雑な思考には耐えない。
生年および来歴は一切不詳。時折会話の間隙に生前の面影が覗くが、本人はそれを意識したり、記憶することは出来ない。
「――ええ、彼の名前は知りません。わたしをアンデッドにしたのだから彼もアンデッドで、わたしが死んだことをわかっていたのですからころしたのは彼なのでしょうけれど」
「わたしがなぜ彼をころさなかったか? アンデッドはアンデッドをころしたくないものです。なぜって、なぜでしょうね、そう決まっているのですよ」
「恐らく彼らの習性と出自、それから生態がそうさせるのです。
ゾンビーが最もよく生まれる場所をご存知ですか? ――残念ながら、教会の地下墓地、とお答えしなければなりません。無尽蔵の遺体や遺骨、もしも不意にひとしずくの邪悪が忍び込めば、そこはあっという間に不浄の楽園になるのです。
そういった場所で、例えばお互いがお互いに殺意を向けてしまったら? 生まれた時よりは緩慢に、けれど確実に彼らは再び滅ぶでしょう。それでは彼らは続かない。この世を害し続けることが、出来ない。ですから、彼らは同胞に、その汚れた爪を立てることは絶対に出来ないのです。刻まれているのです、魂よりも強固に、腐り濁ったその血に色濃く」
「――ああ。なんだかたくさん喋りました。
…わたしは今、なにかおかしなことを言いませんでしたか? すみません、時々、あるのです。自分ではよくわからないことを言ってしまう…
どうぞ、きっとめちゃくちゃなことなのです。お忘れになって。
またいつか、お話しましょう。今度はもっとたのしいことを」
-----------
交流大喜び。スーヴィ、ナンシー、どうぞお好きにお呼びになって!
*All Personal Illustrations painted by dieLerche + free materials from Pixiv.
ある不死者に殺された後、その不死者に「甦され」仮の名前を与えられた。
「名前? スーヴナンスといいます。本当のは、忘れてしまいました」
「アー、右目は、ご覧にならない方がよいと思います。手袋のなかみも」
殺害されてから甦されるまでに長い時間を経た為か、肉体の一部が損傷しているのに加え知能がかなり退行しており、複雑な思考には耐えない。
生年および来歴は一切不詳。時折会話の間隙に生前の面影が覗くが、本人はそれを意識したり、記憶することは出来ない。
「――ええ、彼の名前は知りません。わたしをアンデッドにしたのだから彼もアンデッドで、わたしが死んだことをわかっていたのですからころしたのは彼なのでしょうけれど」
「わたしがなぜ彼をころさなかったか? アンデッドはアンデッドをころしたくないものです。なぜって、なぜでしょうね、そう決まっているのですよ」
「恐らく彼らの習性と出自、それから生態がそうさせるのです。
ゾンビーが最もよく生まれる場所をご存知ですか? ――残念ながら、教会の地下墓地、とお答えしなければなりません。無尽蔵の遺体や遺骨、もしも不意にひとしずくの邪悪が忍び込めば、そこはあっという間に不浄の楽園になるのです。
そういった場所で、例えばお互いがお互いに殺意を向けてしまったら? 生まれた時よりは緩慢に、けれど確実に彼らは再び滅ぶでしょう。それでは彼らは続かない。この世を害し続けることが、出来ない。ですから、彼らは同胞に、その汚れた爪を立てることは絶対に出来ないのです。刻まれているのです、魂よりも強固に、腐り濁ったその血に色濃く」
「――ああ。なんだかたくさん喋りました。
…わたしは今、なにかおかしなことを言いませんでしたか? すみません、時々、あるのです。自分ではよくわからないことを言ってしまう…
どうぞ、きっとめちゃくちゃなことなのです。お忘れになって。
またいつか、お話しましょう。今度はもっとたのしいことを」
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交流大喜び。スーヴィ、ナンシー、どうぞお好きにお呼びになって!
*All Personal Illustrations painted by dieLerche + free materials from Pixiv.
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ステータス
HP | 火MP | 水MP | 風MP | 土MP | MP増加量 | スタミナ | 素質P | GP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 200 |
増幅 | 放出 | 治癒 | 結界 | 強化 | 操作 | 具現 | 中和 | 精製 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3.03 | 0 | 0 | 0 |
精霊術
術No | 系統 | 種別 | MPコスト | 対象 拡大 | 対抗 発動 | 術名 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
火 | 水 | 風 | 土 | ||||||
8 | 治癒 | 再生 | -- | -- | 40 | -- | ○ | ○ | |
19 | 操作 | 猛毒 | -- | 40 | -- | -- | ○ | ○ | オワカレベーゼ |
21 | 操作 | 麻痺 | -- | -- | -- | 40 | ○ | ○ | アガルマトフィリア |
装備品
主力:二刀流(武器) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 5 | 0 | 15 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
補助:二刀流(武器) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 5 | 0 | 15 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
防具:中装(防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 10 | 10 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
攻撃力 | 命中力 | 受け 防御力 | 受け 成功力 | 防御力 | 回避力 | |
---|---|---|---|---|---|---|
主力 | 85 | 89 | 40 | 44 | 110 | 110 |
補助 | 85 | 89 | 40 | 44 |
所持アイテム (0/25)
No | 種別 | 装備 | アイテム名 | 価値 |
---|---|---|---|---|
所持アイテムはありません |