精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.885 (第3回:2012/9/29)

E-No.885

本名:K・L・マイス
通称:マイス

【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】

一言メッセージ
あれから四年。
 生きるためなら何でもやった。
 病院に住み込んで普通の車椅子のふりをしたこともある。俺は普通の車椅子だが。幽霊騒動が起きるまでは、俺はあの病院を終の棲家にすると決めていた。人力車まがいのことをしたこともある。ロボットのふりをして人を乗せて走り回った。進むのが遅すぎると不平を言われることもあったが、ロボットに不平を言ってもしょうがないだろう。俺は何も言い返さなかった。もっとも、人を殴るのはだめだがモノを殴れば故障が治るという人間の迷信には辟易させられたが。ひとり放浪をしてみたこともある。いろいろな世界を巡ったが、ひとりでいるのが一番波風を立てないと知ったときにはさすがに笑ってしまった。
 そして俺は今、またこのアンティークショップに来ている。
 アンティークショップ『迷い子』
 行き場をなくしたモノたちの、(あるいは、者たちの)ここはちょっとした憩いの場だ。
 雑多な店内には、薄暗い照明に照らされて、数多のモノたちがひしめきあっている。俺のように自分で考えて動くやつはまれだが、そういうやつがほかにいないこともない。店の奥に小さなカウンターと今にも壊れそうなレジがおいてある。あいにく俺はこのレジスターというやつが動いているのを見たことがない。レジも迷子になったモノなのかもしれない、いや、ここが本当になにかのショップだというのなら、この店の経営そのものが迷子なのだろう。
 カウンターを挟んで向こう側に、女がひとり座っている。こんなところでひとり座っているにはもったいない器量の持ち主だ。昔は女優だったこともあるらしいその女が、俺の視線に気づいたのか「ん?」と目を向けた。特別話したいことがあるわけでもない。俺はその視線を無視して、相棒のティー・ヴィーに視線をやった。
「精霊協会では、今後も新たに冒険資格者を増やしていく方針を発表し、人類かそうであるかを問わず、試験に受かったすべての者にライセンスを発行することを……」
 ティー・ヴィーのやつは、いつも好き勝手なことをそのモニターに映してしゃべりくるっている。黙れといっても黙ったことがない。この店で俺以外に言葉を発することができるのは人間である牧野瀬(カウンターに座っている女だ)を除けばこいつとレディオしかないないというのに。ふたつともモノの話を聞くことを知らない。なげかわしいことだ。
「……冒険者かあ」
 カウンターの牧野瀬が、懐かしそうにその言葉をつぶやいた。頬杖をついて、どこかを思い浮かべるように目を細めた。
 冒険者。その言葉には、俺も感じ入るものがある。
 この、4年間。
 そういえば、ひとりで冒険したことはなかったな。
 思い立ち、車輪を回す俺を、どこかうらやましそうな声音を含んだ牧野瀬の声が送り出す。
「いってらっしゃい」
 またここに来たら、どんな目に遭ったのか土産話のひとつでも披露してやってもいいかもしれないな。

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録
精霊術の習得
増幅:治癒 を習得!
スキルの鍛練
鍛練によって 増幅 のLvが上昇! [2→3]
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [1→2]
攻撃 が上昇! [5→10]
精度 が上昇! [5→10]
同調によって 補助 のLvが上昇! [1→2]
防御 が上昇! [5→10]
精度 が上昇! [5→10]
同調によって 防具 のLvが上昇! [1→2]
防御 が上昇! [5→10]
精度 が上昇! [5→10]
メッセージ送信
[143]1件 のメッセージを送信!

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーマイス
 [E-No.885]

プロフィール

クラス
種族
性別不明年齢???歳身長86cm体重13kg
Know・Life
         ――マイス
     その車椅子は、命を知った。




 最初に、(動けるな)と感じた。
 見えた、というこの感覚が正しいのかわからないが、屋内に居ることは肌で観じることが出来た。灯りはついているが、人の気配はない。博物館か、或いは展示場にいるのだと俺は知っていた。俺が見世物としてここに居る事は何故か理解できていたが、俺がそのために産まれて来たわけではない事も同時に理解していた。
 だから、(動きたい)と思った。
 自発的に何かをしたいと感じたのは初めてだった。
 そもそも、何かを感じたことそのものが初めてだった。
 考えてみたら、何かを思ったのも初めてだった。
 疑問がないわけではない。
 だが、心のどこかで納得してもいた。
 そうだったから、そうだっただけだ。
 思うままに、自分の体を動かしてみる。
 少し引っかかるような違和感があって、だが考えていたよりもずっとスムーズに、前に進んだ。
 ガタン、と唐突に大きな音がした。
 展示されていた俺が、急に前に進んだ所為で足を踏み外したのだ。
 横倒れになって、自分が一人では立ち上がれないことを知った。
 音を聞きつけたのだろう。展示場のコンパニオンが首をかしげながら近づいてくる。巧妙に隠しているが、首元に傷の跡。すでに癒えているその傷を観じながら、俺はこれから誰の傷に立ち会うのだろうと、そう考えた。
 いつか誰かを支えたいと思う日が来るのだろう。
 そのために俺は産まれたはずなのだから。

 KnowLife。
 その日俺は命に目覚め、命を知った。


 それから4年。
 今の俺は、冒険家の端くれをしている、車椅子の端くれである。
 まったく、運命というやつはいつだって予測がつかない。

アイコン一覧

1234567

サブプロフィール

新堀 知己 (ぼり)

K・L・マイスの中の人であり、別人でもあり、その辺はもう好きにしてくれ。
気軽に「ぼり」とでも呼べばいいんじゃないかな。
マイスの日記が捗らなかったり、何にも思いつかなかったり、何か思いついたりしたら、日記を書いたりするかも。
ほとんどMIXIの代わりともいう。楽じゃん? そういうの。
虚々実々、フィクションだったりノンフィクションだったり、日記だったりつぶやきだったり、その辺明確に区分けしてません。自由に想像してくれればいいんじゃないかな。

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
1000000010200100
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
3.5200010000

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
1増幅強打40------××
2増幅連撃----40--××
36増幅治癒--40----×

装備品

主力:両手(武器)LvCP攻撃防御精度
フットペダル
2110010
スロット1
スロット2
スロット3
補助:補具(防具)LvCP攻撃防御精度
クッションカバー
2101010
スロット1
スロット2
スロット3
防具:重装(防具)LvCP攻撃防御精度
手すり
2101010
スロット1
スロット2
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1351105055123101
補助0000

所持アイテム (0/25)

No種別装備アイテム名価値
所持アイテムはありません
トップページ冒険結果一覧 > E-No.885 (第3回:2012/9/29)