E-No.330
![]() | 本名:クァール 通称:クァール |
- 一言メッセージ
ぱたぱたと、窓を打つ雨の音で目が覚める。
ベッドに寝そべったまま 窓から空を見上げると、
厚く広がった雲に遮られた、か細く弱々しい陽の光が目に入る。
ほの暗く照らされた時計を見ると、5時を30分ほど過ぎていた。
( ああ、もう朝か… )
ゆっくりと身体を起こし、一息吸って大きく伸びをする。
まだ靄の掛かっている頭を振るい、無理矢理に意識を覚醒させる。
上掛け布団を脇に押しやって足を放り出し、ベッドに腰掛けた状態になると、
傍のナイトテーブルからスリッカーブラシを手に取り、軽く毛を梳いてゆく。
腕、肩、首筋、脇腹、脚…そして尻尾と、全身をくまなく梳いて、抜けた毛を絡め取る。
ブラシに纏わり付いた死毛を一瞥すると、丸めて毛玉にし、ゴミ箱に放り込む。
いつの頃からか身に付いた、起き抜けのブラッシングの習慣。
日課のようになったとは言っても、決して好き好んでやっている訳ではなかった。
故郷で暮らしていた時は、抜け毛なんて気にしたこともなかった。
風に吹かれ、自然に散るままに任せておけばよかった。
街で暮らすなら…家に住み留まるならば、そうはいかない。
抜けて床に落ちた毛は、いつまでも消えずに留まり続け、見苦しい埃となる。
土に還ることなく、不必要なものとして、ひとの手で排除しなければならない。
それに、まだ、慣れない。
ベッドから立ち上がってズボンを履き、寝室を出る。
6時を回ったというのに、家の中は薄暗いままだ。
壁際に置かれた、電灯のスイッチを入れる。
点かない。
( ………。 そうか。先生は、昨日から出かけてたんだっけ。 )
この家にある様々な道具は、先生のものだ。
どの道具も、電気という仕組みで動いているらしい。
電気で灯りを点けるランプ。
電気で火を起こすコンロ。
電気で埃を集めるホウキ。
でも、どれも先生が居ないと動かない。
先生が、その電気というものを道具に供することで、道具が働くそうだ。
俺にはそれが、魔法と どう違うのか良く判らない。
けれど、先生に言わせると全然違うものらしい。
ともかく、魔法や精霊力とはまた違った仕組みで動くもの。
俺には、使い方は判っても、理屈はその程度しか判らなかった。
故郷のセルフォリーフでも、似たような、電気で動く機械仕掛けの道具を見かけたことはある。
けれどそれは、別の分割世界から持ち込まれたものばかりだった。
確か、アンテ… なんだっけ? 世界の名前は忘れてしまったけれど、
そういう電気の道具を使う世界…機械の世界がある… ''あった'' らしい。
( もしかしたら… 先生は、そんな世界の出身だったりするんだろうか?
それとも、そんな世界を旅したことがあったのかなぁ…? )
そんなことをぼんやりと思いながら、
ランプに菜種油を注ぎ、マッチを擦って芯に火を灯す。
マッチの燃えた硫黄の臭いと、ランプの油の焦げる臭いが部屋に篭る。
火掻き棒を使って、ランプを天井に吊るす。
ゆらゆらとゆれるランプの光で、棚やテーブルや椅子の影が揺れる。
( ………。掃除でもしておこう。 )
箒で埃を掃き取ってゆく。
やっぱり、毛が多い。
いくら身繕いをしていても、家の中ではどうしても溜まっていってしまう。
一通り掃除を終える。
時計は8時を指している。
( ………。そういえば、起きてからまだ何も食べてなかったや 。)
キッチンで冷蔵庫の扉を開ける。
ヴヴヴヴンと低い音を響かせる。
これだけは、先生が居ないあいだもしばらく動くような仕組みになっている。
俺は、先生の道具の中では、これがいちばん素晴らしいものだと思ってる。
この道具のおかげで、傷み易い食材も気軽に扱える。
冷蔵庫の冷たい風が、毛皮の上から身体を冷やしてゆく。
コンロの方を見る。先生が居ないと、火を起こすところから始めないといけない。
( 面倒くさいな…。 これでいいや。 )
手前にあったニンジンとリンゴを手に取る。
ダイニングルームに戻るのも面倒になり、キッチンの椅子にもたれかかって齧る。
がじり。とニンジンを齧る。
ほのかな甘みと、舌に残る皮のざらつきを飲み下す。
( ………。皮くらい、剥けばよかったかな。 )
がじり。とリンゴを齧る。
ぱさっとした歯触りと、僅かに残った甘酸っぱい香りが口の中に澱む。
( 少し、古くなってたかな? 先生に出さなくてよかった。 )
時計を見ると、9時になろうとしていた。
空は、相変わらず黒く厚い雲で覆われている。
( ………。 雨の日は、嫌だな。 )
晴れていれば、洗濯もできるし、水汲みにもいけるし、買い物にもいける。
雨の日は、家でじっとしているしかない。
身体を動かしているあいだは、働いているあいだは、忘れられる。
働けないと、じっとしていると、思い出してしまう。
自分が ひとり だということを。
何もやる気が起こらず、机に突っ伏したまま、ぼうっと窓の外を眺める。
( ………。 俺、いつからこんなに怠け者になったんだろう? )
ふたたび、時計を見る。
先生、確か昼過ぎには帰ってくるって言ってた。
戻ってきて昼食を取ったら、午後から精霊協会の依頼に行く予定だって。
お昼の献立は何にしようか…?
鶏肉とキノコがあったから、パエリアにしようか? それともクリームパスタの方がいいかな?
あんまり早く用意しても料理が冷めちゃうし、10時くらいから準備を始めればいいよね…
( 少し、疲れたなぁ… ちょっとだけ眠ろうか。 )
そう思って、テーブルに伏せたまま目を閉じる。
ぱたぱたぱたと窓を打つ雨の音
かちりかりちと時を刻む時計の針
とくんとくんと脈打つ自分の鼓動
目を閉じると、耳障りに響く。
ぱたぱたぱた かちりかちり とくんとくん
( うるさいなぁ… )
ぱたぱたぱた かちりかちり とくんとくん
( ああ、うるさいよ。 静かにしてくれ。 )
ぱたぱたぱた かちりかちり とくんとくん
( もう、いいから… 静かに、なってくれ… )
………
……
…
--------------------------------
― がちゃり ―
唐突に、鍵を開ける音が聞こえた
( ん…? ああ。先生、帰ってきたんだ。 )
時計に目をやると、13時を過ぎている
( もう、こんな時間なのか… )
'' それ '' に気付き、一気に目が覚めて、弾かれたように椅子から立ち上がる
( えっ?! 先生、帰ってきたの!? マズいッ!! )「ただいま にゃ〜わん! 帰ってくるのちょっと遅くなっちゃった。ゴメンね☆
さ、ご飯食べたら研究所に行こっ♪」
― もちろん ―
「え゛っ… あ。 いや… その…ッ!」
― 寝こけていたので ―
「………?」
― 出来ているはずがなかった ―
「先生… ごめんなさいっ!」
平謝りしつつ、ちらりと窓の外を見ると、
いつの間にか雨は止んで、雲間から太陽が顔を覗かせていた。
お知らせ
- 登録状況
- 【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録
- 精霊術の習得
- 強化:防御能力強化 を習得!
- スキルの鍛練
- 鍛練によって 中和 のLvが上昇! [1→2]
- 装備品の強化
- 同調によって 主力 のLvが上昇! [1→2]
→ 精度 が上昇! [10→20] - 同調によって 補助 のLvが上昇! [1→2]
→ 精度 が上昇! [10→20] - 同調によって 防具 のLvが上昇! [1→2]
→ 精度 が上昇! [10→20]
- メッセージ送信
- クァール [330] に 1件 のメッセージを送信!
メッセージ
- クァール [330]
「しくしく… お昼ごはん楽しみにしてたのに、パンとチーズと水だけだなんて…」
「先生、悪かったって。 機嫌、直してよ。ホラ、お詫びに夕飯は先生の食べたいもの作るからさ!」
「ホント?! じゃあ きつね、テリーヌがいいっ♪ エビとホタテと野菜がたっぷり入ったやつ!!」
「………。」
(先生、ここぞとばかりに手間のかかる料理を指定してくるなぁ。
あれ、食材を全部別々に下ごしらえしないといけないし、
コンソメも作らないといけないしで、すごく面倒くさいんだけど…)
「………。ダメなの?」
「めそめそ」
「あー! 判ったよ!作るよ!作らせて頂きますっ!
それじゃあ依頼が終わったら、材料を買って帰ろうよ、先生。」
「やった〜☆ ありがと!にゃ〜わん♪」
クエスト
クエスト名 | 精霊兵研究所−新米精霊兵【戦闘結果】 | |||
---|---|---|---|---|
パーティ名 | ![]() | Little Braver with Cunning Noisy Fox [P-No.330] | ||
メンバー | ![]() | クァール [E-No.330] |
プロフィール
クラス | ドリームウォーカー | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
種族 | シェイプビースト | ||||||
性別 | 男性 | 年齢 | 17歳 | 身長 | 160cm | 体重 | 51kg |
緑色の髪に赤紫の毛並みの、獣人の少年。
犬と猫を混ぜたような容姿をしている。
耳は猫のように広くて大きいが、
尾は犬のようにふんわりしている。
手や指は人間と同様の形状だが、
足はいわゆる逆関節の獣脚。
生を受けた時は獣人の姿だが、
年を経るごとに獣の身体へと変化してゆく種族。
完全な獣となるまでの時間には個人差があり、
生涯獣人の姿を保つ者もいれば、若くして獣となる者もいる。
身に纏う衣服は、簡素なケープとフリンジ付きのズボン。
そして、羽根飾りの付いた髪留。
分割世界のひとつ、躍動の世界 セルフォリーフの出身。
数ヶ月前に起こった分割世界群の崩壊により、
それらの世界群と共に消え行く運命ではあったが、
奇縁で狐に拾われて、ここハイデルベルクに移り住むこととなった。
幼い頃に両親を亡くしており、
姉が親代わりとなって彼の面倒を見ていた。
唯一の肉親であり、狩りの名手でもあった姉を慕っていたが、
数年前、その姉が突然行方知れずとなり、彼は姉を探す旅をしていた。
ハイデルベルクに移り住んだ後も、姉の身を案じ続けてはいるが、
いまの彼に、その安否を確かめるすべは無い。
懐かしむ故郷も、敬愛する姉も失った少年は、
独り異邦の地で 何を想い 何を願うのか…
-----------------------------------
精霊協会への所属資格は狐が所持しており、
クァールはその助手として共に行動している。
狐からは『にゃ〜わん』と呼ばれているが、
恥ずかしいので勘弁して欲しいと思っている。
犬と猫を混ぜたような容姿をしている。
耳は猫のように広くて大きいが、
尾は犬のようにふんわりしている。
手や指は人間と同様の形状だが、
足はいわゆる逆関節の獣脚。
生を受けた時は獣人の姿だが、
年を経るごとに獣の身体へと変化してゆく種族。
完全な獣となるまでの時間には個人差があり、
生涯獣人の姿を保つ者もいれば、若くして獣となる者もいる。
身に纏う衣服は、簡素なケープとフリンジ付きのズボン。
そして、羽根飾りの付いた髪留。
分割世界のひとつ、躍動の世界 セルフォリーフの出身。
数ヶ月前に起こった分割世界群の崩壊により、
それらの世界群と共に消え行く運命ではあったが、
奇縁で狐に拾われて、ここハイデルベルクに移り住むこととなった。
幼い頃に両親を亡くしており、
姉が親代わりとなって彼の面倒を見ていた。
唯一の肉親であり、狩りの名手でもあった姉を慕っていたが、
数年前、その姉が突然行方知れずとなり、彼は姉を探す旅をしていた。
ハイデルベルクに移り住んだ後も、姉の身を案じ続けてはいるが、
いまの彼に、その安否を確かめるすべは無い。
懐かしむ故郷も、敬愛する姉も失った少年は、
独り異邦の地で 何を想い 何を願うのか…
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精霊協会への所属資格は狐が所持しており、
クァールはその助手として共に行動している。
狐からは『にゃ〜わん』と呼ばれているが、
恥ずかしいので勘弁して欲しいと思っている。
アイコン一覧
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サブプロフィール

■緋色の狐
(アイコンNo.11-17&20)
クラス:ライブラリアン
種族:キツネ?
性別:男性
年齢:? ? 歳
身長:92cm
体重:6kg
-----------------------------------
見た目ごく普通の喋る狐。
喋ってる時点で普通では無い気もしますが、
突っ込みは不許可。
2足歩行も可能。もちろん前足で物も掴めます。
どう見ても普通の狐では無い気がします。
本当にありがとうございました。
まぁ、キツネだし。
お気楽極楽♪ お遊戯気分でのんびり協会の依頼をこなしてます☆
-----------------------------------
中和と精製の精霊術を得意とする狐。
精霊協会所属資格を有しているのは狐の方で、
クァールはその助手という扱い。
戦闘では、狐が術を行使しつつ相手の注意を引き付け、
その隙にクアールが攻撃するというスタイル。
クァールからは『先生』と呼ばれているが、
むずむずして落ち着かないので止めて欲しいと思っている。
(アイコンNo.11-17&20)
クラス:ライブラリアン
種族:キツネ?
性別:男性
年齢:? ? 歳
身長:92cm
体重:6kg
-----------------------------------
見た目ごく普通の喋る狐。
喋ってる時点で普通では無い気もしますが、
突っ込みは不許可。
2足歩行も可能。もちろん前足で物も掴めます。
どう見ても普通の狐では無い気がします。
本当にありがとうございました。
まぁ、キツネだし。
お気楽極楽♪ お遊戯気分でのんびり協会の依頼をこなしてます☆
-----------------------------------
中和と精製の精霊術を得意とする狐。
精霊協会所属資格を有しているのは狐の方で、
クァールはその助手という扱い。
戦闘では、狐が術を行使しつつ相手の注意を引き付け、
その隙にクアールが攻撃するというスタイル。
クァールからは『先生』と呼ばれているが、
むずむずして落ち着かないので止めて欲しいと思っている。
ステータス
HP | 火MP | 水MP | 風MP | 土MP | MP増加量 | スタミナ | 素質P | GP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 200 |
増幅 | 放出 | 治癒 | 結界 | 強化 | 操作 | 具現 | 中和 | 精製 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2.31 | 1.82 |
精霊術
術No | 系統 | 種別 | MPコスト | 対象 拡大 | 対抗 発動 | 術名 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
火 | 水 | 風 | 土 | ||||||
16 | 強化 | 防御能力強化 | -- | 20 | -- | 20 | ○ | ○ | |
25 | 中和 | 解除 | 10 | 10 | 10 | 10 | ○ | ○ | |
30 | 精製 | 武器魔力付与 | 20 | -- | 20 | -- | ○ | ○ |
装備品
主力:片手(武器) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 0 | 20 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
補助:盾(防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 0 | 20 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
防具:軽装(防具) | Lv | CP | 攻撃 | 防御 | 精度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | 1 | 0 | 0 | 20 | ||
スロット1 | |||||||
スロット2 | |||||||
スロット3 |
攻撃力 | 命中力 | 受け 防御力 | 受け 成功力 | 防御力 | 回避力 | |
---|---|---|---|---|---|---|
主力 | 105 | 115 | 50 | 57 | 95 | 125 |
補助 | 0 | 0 | 105 | 115 |
所持アイテム (0/25)
No | 種別 | 装備 | アイテム名 | 価値 |
---|---|---|---|---|
所持アイテムはありません |