精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.163 (第3回:2012/9/29)

E-No.163

本名:ニーネ・ビント・アシュラフ
通称:ニーネ

【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】

一言メッセージ

 天幕の片隅をランプの明かりが照らす。ハイデルベルクを出発して幾日目かの夜、初めての土地での野宿のためか私は妙に寝付けずにいた。
 戦いのあとで疲れたのだろう、他の皆は既に静かな寝息をたてている。私は彼女達を起さぬように気をつけながら自分の荷物から真鍮の手紙入れを取り出し、音をたてぬようゆっくりと蓋をあけた。
 箱の底には古い古い手紙が眠っている。私はそれを手に取って開き、紙にしみこんだインクをそっと指でなぞる。ざらざらとした紙の感触。過去の記憶が扉をあけ、私はその内側へと潜っていく。

 数年前、遠い異郷から届いた一通の手紙を読んだその日、私の世界は色を変えた。
 手紙に記されていたのは遠い昔に私を残して消えた父の長年に渡る懺悔の告白。父と母がどのように出会い、どう生きたのか。そしてその生活がどうやって終わり、何故私が一人だけ残されたのか。
 そこには私が長く捜し求めた答えの全てがあった。自らの出生、父のこと、母のこと、それは私が家出同然で飛び出す旅をしてまで見つけたかった家族の影。私は過去の情景を思い浮かべながら、はやる気持ちを押さえ一語一語を飲み込むように手紙を読み進める。
 手紙の中の父は嘘をつかなかった。嘘などいくらでもつけたはずなのに、それなのに彼の言葉は不器用なまでに正直だった。手紙の中で彼は私を愛していると言い、そして、その愛は妻への延長線上のものにすぎなかったと付け加えた。そうでなければ私を捨てて消えることなど出来なかったはずだと、父として未熟すぎる男だったのだと、手紙の中でそう謝った。
 実の娘に宛てた手紙にまさかこんなことを書く男がいるなど誰が想像することだろう。怒りが湧いた。そして、悲しみも。ただ愛しているとだけいって欲しかった。なにも言わず抱きしめてほしかった。それなのに、手紙の中の父は自らの贖罪の言葉をただひたすらに正直に吐き出していく。こんなのはあんまりだと私は思う。しかし、同時に心の底では安堵している自分にも気付いていた。私は確かに愛されて生まれてきた、それは紛れもない真実だったのだ。例えかたちが幾分か歪んでいたとしても、私にとってそれは十分な祝福であると言えた。父は確かに私の父だった。私の、私だけの父親。母を愛し、私を愛したたった一人の男。そんな男が世界には確かにいたのだと、その古い手紙は私に語りかけていた。

 手元を照らす光が不意に揺れ、私は意識を引き戻される。蛾が一匹ランプの火に纏わり付くようにしてひらひらと飛んでいるのが目に入った。いつの間にか天幕の入り口をふさぐ布の重なりに隙間ができていたらしい。
 私はそっとランプの火を消す。蛾は暫しの間天幕の中をゆらゆらと彷徨っていたが、やがて入り口の隙間から差し込む月明かりを見つけ、光に誘われるようにして外の世界へと消えていった。
 音をたてぬよう立ち上がり、天幕の隙間から夜空を見上げる。右目が満月から僅かに欠けた月の形を捉えた。暗い天幕の中とは対照的に、外は月の光で満たされている。
 私を惑わす火は、あの日父が消してくれた。もう暗闇の中で家族の影を探して彷徨い続ける必要はない。けれど、それなら私はこれからどこへ向かおう。私の進む先に月の光はあるだろうか。私は私のために、あるいは愛する人のために生きることができるだろうか。
 布の擦れるかすかな音。振り返ると、エメが眠たげに目をこすりながら私の顔を見上げていた。
「……どうしたの、ニーネ」
 彼女は身体を起し、心配そうに私に問う。
「ううん、なんでもない」
 私は小さく首を振って微笑むと、入り口の隙間をしっかりと閉じなおしてから毛布にもぐりこんだ。暖かな空気が私を包み、ほどなくして直ぐに眠気が訪れる。
 エメ……それにシュラル、パピィ……初めてできた同年代の女の子の友達。年上や年下とは仲良くなれても同年代の子達とは仲良くなれる気がしなかった私が、最近になってようやく見つけた心を許せる仲間たち。彼女たちと旅を続けながら、私は私の世界を見つけよう。そして……
 まどろみに薄れる意識の中で、私は祈る。

 ――もし叶うのなら、彼女達が私の月明かりになりますように。




お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、セリフ登録、精霊術設定登録、パーティ登録
精霊術の習得
中和:減衰 を習得!
スキルの鍛練
鍛練によって 精製 のLvが上昇! [2→3]
アイテムの購入
抽選に外れたため アイテム精製の極意 Lv1 を購入できなかった……
抽選に外れたため 匠の技 Lv1 を購入できなかった……
連撃 Lv1 の抽選に外れたため 霊玉原石 Lv1 を購入! [-200GP]
【今回の抽選結果を表示】【次回の販売アイテム一覧を表示】
アイテムの精製
霊玉原石 Lv1 を精製!
→ [+1] … 失敗 [15%]
アイテム精製の極意 Lv1 を獲得!
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [1→2]
攻撃 が上昇! [10→20]
同調によって 補助 のLvが上昇! [1→2]
精度 が上昇! [10→20]
同調によって 防具 のLvが上昇! [1→2]
精度 が上昇! [10→20]
メッセージ送信
ロジェ [48]1件 のメッセージを送信!
シュラル [132]1件 のメッセージを送信!
**** [166]1件 のメッセージを送信!
エメ [248]1件 のメッセージを送信!
キヤ [263]1件 のメッセージを送信!
パピィ [300]1件 のメッセージを送信!
レンツ [429]1件 のメッセージを送信!
呉葉 [644]1件 のメッセージを送信!

メッセージ

[143]
「………」
目に留まった鷲が気に成るのか、じっと眺め見ている。
ヨゥルク [844]
「ふむ・・・。」


 少し頭を低くして、何かを嗅ぎ回っている大型の犬が背後から現れた。
 ひと息ほどの沈黙の後、貴女の方へと振り返ると、確認するように目を合わせる。
 そして、石畳に小さくかつかつと爪のかかる音を立てながら、ゆっくりと近付いて来た。

「・・・ああ。驚かせたなら済まないね、翼を持つお嬢さん。
 その服の、砂埃と、陽光と――風の臭いだ。懐かしくてね。追い掛けさせて貰った。
 己(おれ)の大元の生まれも、そんな所に近く在ったものでな。」

 目の前の生き物が開いた口からは、涎が滴るでも咆え声が響くでもなく、共通語が聞こえた。
 服やら立ち居振る舞いを見つつ、一定の距離は保とうとしてくれている。
 よくよく見れば、この犬の首元にも、協会の冒険者の証が掛けられている様子だ。

トレード

シュラル [132]
100GP を受け取りました!
エメ [248]
100GP を受け取りました!
はい、ニーネ。抽選に当たるといいわねえ!
パピィ [300]
100GP を受け取りました!

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーシュラル
 [E-No.132]
ニーネ
 [E-No.163]
エメ
 [E-No.248]
パピィ
 [E-No.300]

プロフィール

クラス
種族
性別女性年齢19歳身長155cm体重31kg

 ―――時計の針は誰にだって平等に規則正しく動いている。
 後ろを向いてても、前を向いてても、立ち止まってたってそれは同じ。
 世界は広く、私は小さい。それなら私は前を見続けよう。
 だって、片目を失っても、この瞳はまだ世界の姿を映しているのだから。


 
ニーネ・ビント・アシュラフ
 
アシュラフの子、ニーネ

 
翼人種の母と砂漠の民の父との間に生まれた混血の娘。
 褐色の肌。青の瞳。癖が強く色素の薄い桃色の髪。
 肩甲骨のあたりから翼人種の証である翼が生えている。

 
翼人種とは風の精霊の加護を受けて飛ぶことを前提に進化した種族。
 飛翔を前提としているため体重が極端に軽く、羽ばたきに使わない部分の人としての機能は退化している。
 十分に成長した翼は魔力媒体としての役割を果たし、羽ばたくことを詠唱の代わりとして浮力を獲得することで飛翔が可能となる。
 しかし、混血である彼女は翼が十分に成長しなかったため飛ぶことができず、また、身体のあらゆる部位に血が濁ったことによる種としての劣化がみられる。


・生い立ち、経歴など
 母親は彼女が生まれて間もなく天へと旅立ち、父親は幼い娘を残して遠い地へと消えた。
 取り残された彼女は母方の叔父叔母の元で育てられ、15のときに一度家出同然の形で父探しの旅に出ている。
 結局その旅では父本人は見つけられなかったが、代わりに世界の広さを知り、自らの生まれの答えを得た。
 兄弟姉妹はいないが、小さな頃から共に育った
獣人の幼馴染がいる。

 かつての旅の最中に大怪我を負って左目を失っている。
 左の視野が欠けているため信頼している人物の右側に立つことが多く、遠近感がないのでよく物を取りこぼす。
 怪我の傷跡は左足にも残り、寒い日は時折足を引きずりながら歩く。
 また、同じ旅の中で重度の
魔力汚染を受けたため、その後遺症で身体の自然治癒能力が極端に低い。


・性格 素養など
 感情表現は豊かで考えていることが顔に出る。よく悩み、よく驚く。
 他者に対しては基本的に敬語で接するが、打ち解けてくると言葉がやわらかくなる傾向がある。
 4年前の旅で肉体的な損失と引き換えに精神的な強さを手に入れた。
 杖と翼を触媒とし、詠唱を通じて翼人種に伝わる古い呪術を扱う。

 
翼人種の特性を受け継いだため体格に対して体重が軽く、脆い。そしてどんくさい。
 怪我や種族特徴を含めて全体的に肉体面が弱い傾向にあり、運動や接近戦は苦手。
 代わりに学問や呪術といった方面には十分な才能を持ち、身体機能の多くを呪に連なる力で補っている。
 料理が得意。過去の旅の経験から野外での料理についても自信があり、簡易竈の作成や野草の選り分けもお手のもの。食べられる昆虫にも詳しく、食事については意外なほど(そして場合によっては迷惑なほど)タフ。
 料理好きが高じて物作りに興味を持ち、暇をみては宝石加工や刺繍などを学んでいる。


    
旅の動機は自らの見識を広げ、多くのことを学んで力とすること。
     そのため、他者の行動や珍しい品々、風景や歴史に強い興味を示す。


    ***************************************

 左目を失った彼女は右目を酷使しすぎる傾向にあり、自然治癒能力低下の影響も相まってゆっくりと、しかし確実に残された右目の光も失いつつある。
 彼女自身それは自覚しているため、残された時間でどれだけのものを目に焼きつけ、どれだけのことを学べるかということを常に意識しながら行動している。
 彼女はこのことを誰にも話さない。しかし、注意深く観察したなら、その片鱗に気付くこともあるだろう。

※メッセージ等は歓迎ですが、キャパオーバーすると途切れがちになるかもしれません。
※精霊術アイコンにロジーヌ(281)さんの画像をお借りしています。

アイコン一覧

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サブプロフィール

3年前に翼を怪我して地に墜ちたところをニーネに拾われた大鷲。
名前はアドリー。体長は50cm程で翼は拡げると1m以上ある。
とてもよく懐いており、寝食を共にしている。

大きな嘴と爪で、ウサギ狩りはお手のもの!
だけどちょっぴり悪戯上手なのが玉に瑕。


※プロフ絵は描きかけ!

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
1000000010200400
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
000000014.03

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
24中和減衰10101010×
29精製魔力譲渡10101010詠唱『魔力の波音』
30精製武器魔力付与20--20--

装備品

主力:両手(武器)LvCP攻撃防御精度
歌う杖『プラネ・オルニ』
風を切り歌う杖。基本は詠唱補助用だが風を宿すことで武器として扱えなくもない。
212000
スロット1
スロット2
スロット3
補助:補具(防具)LvCP攻撃防御精度
風纏う翼
風の精霊に祝福された翼。羽ばたきを詠唱に代える特性を精霊石で増幅している。
210020
スロット1
スロット2
スロット3
防具:軽装(防具)LvCP攻撃防御精度
砂民の衣
古着商から買い取ったものを修繕して使っている。お気に入り。
210020
スロット1
スロット2
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力139105505295128
補助0000

所持アイテム (2/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉アイテム精製の極意 Lv1100
2素材ゴブリン銀貨75
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