精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.119 (第8回:2012/11/3)

E-No.119

本名:ライナス=ハシュナ
通称:ライナス

【戦闘結果】【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】

一言メッセージ

――9

「ここに、一つの家庭がある」

暗闇を揺蕩う様な微睡みの中、聴こえてきたのは一つの声。
男なのか、女なのか、幼いのか、老いているのかさえ、そこからは区別がつかない。

「父がいて、母がいた。夫婦で移り住んできた為にその上の系譜は存在しないが、子宝に恵まれ娘と息子の二人を授かった四人の家族」

黒い靄が集い、蠢き、形を成す。不定形だった靄が、男の眼前にて明確な意思に沿って質量と密度を伴いだす。
それは、チェス盤めいた黒卓。
次いで輝くは、光。黒い靄を払う様に照らすそれは、同じく集い、蠢き、形を成す。
それは、駒。王(キング)、女王(クイーン)、そして2つの歩兵(ポーン)の都合4個。それが家族四人の象徴である事は、言われるまでもなく理解出来た。

「子供二人は生まれながらにして大きな障害を抱えていたが、生きる上では健康そのもの。多少の困難はあれど、家族皆で乗り越え、幸せに暮らせるものと夫婦は思っていた」

語る口調は穏やかでありながら、どこか愉しむ様に朗々と。
刹那、歩兵が2つ、障る音を立てて醜く歪む。
先端の球体、その半ばに突き立つ無数の棘。
嗄(しわが)れた様に痩せ細る、駒の全身。
前者は娘で、後者は息子。視覚の全損と、魔力の全損。盤上にある四駒は、まるて支え合う様に寄り添っていて。

「ああ怖い、ああ恐ろしい、これは悪魔だ、悪魔の業に違いない。人の思いは止められない。人と人が交われば、そこには間違いなく排他の意識が生まれる。そして意識が集えば、それは容易に行動へと変化する」

寄り添う駒が中央へ移動する。瞬間、何も存在しなかった場所に、四駒を取り囲む様に、闇の如く黒い駒が幾つも現れていた。
白い駒は、動けない。じりじりと狭められていく包囲網。逃げ場など、何処にも無かった。
やめてくれ、と男が言葉を漏らす。懇願する様な悲鳴はしかし、音にもならず届かない。
未来が見える、結末が見える。その後の展開が容易に予想が出来て、何よりも避けたくて、絶対に起きてはいけない事態だったから。

やめろ、やめろ、頼む、お願いだからやめてくれ。俺はどうなったって構わない。だからあの子たちは、息子は、娘は、妻だけは、助けてくれお願いだ。俺達が一体何をしたという。

開いた口は、やはり音を紡がない。動かすべき身体が、見当たらない。虚空に浮かぶ意識。瞳は閉じる事を許さず、聞こえてくる音に耳を塞ぐことも叶わなかった。
黒が、白に迫る。既にあった
一マスが、詰められる。
チェックメイト。
まず触れられた歩兵が、倒される。その後ろにいたもう一人の歩兵も、同様に。囲いの堅牢さは、女王すら逃さない。倒された駒に与えられるのは、死に至る苦痛。
一つ。それは瞳に悪魔を宿した罪。
見えざる視界など常人が持ちうるものではなく、神からの愛を受けていないのは明白。それは即ち悪魔による呪いを受けた事に他ならない。
ああ、なんて罪深い罰当たり。然るべき裁きが必要となる。
罪科は悪魔憑き。刑種は穢れた眼球の摘出による悪魔祓い。
棘が刺さった歩兵の球体を、黒駒が砕いていく。それはまるで、人間が囲って一人の少女の頭を殴り続けている様にも見えて。
一つ、それは身体に悪魔を宿した罪。
魔力を宿さぬ身体など、常人が持ちうるものではなく、神からの愛を受けていないのは明白。それは即ち、悪魔による呪いを受けた事に他ならない。
あぁ、なんて罪深い罰当たり。然るべき裁きが必要となる。
罪科は悪魔憑き。刑種は穢れた肉体への殴打による悪魔祓い。
歩兵の嗄れた身体が、黒駒が砕いていく。それはまるで、人間が囲って一人の少年を棒で叩いている様にも見えて。
一つ、それは悪魔を孕んだ罪。
悪魔を産み落とすなど、常人が行う事ではなく、神からの愛を受けていないのは明白。それは即ち、悪魔と交わったからに他ならない。
あぁ、なんて罪深い罰当たり。然るべき裁きが必要となる。
罪科は大淫婦。刑種は穢れた子宮の切除による悪魔祓い。
白駒の女王を、黒駒の群れが砕いていく。それはまるで、人間が囲って一人の女性を痛めつけている様で。

やめろという口の動きすら、もう出来ない。
止む事のない惨劇を閉じぬ双眸は映し、木霊する幻聴を鼓膜に震わせた。
文字通りの地獄。何をしてでも目の当たりにしたくない、悪夢の光景。
人間は、心無しでは生きられない。男の瞳は、最早虚ろな光しか宿さない。
伽藍堂となった心に、暗がりの声が滑り込んだ。

「地獄だろう。悪夢だろう、否、夢であればどれだけ良かったろう。こんな現実が起こりうるならば、この世界は文字通り地獄に違いない」

何故だ。何故こんな目に俺達は合わねばならない。
神よ、何故に我らを見捨て給うた。

「見捨てたのではなく、初めから見てすらいないんだよ。神はな」

音の無い言葉に、その声は答える。
では何故と、神ではなく、答えを教えてくれる身近な存在に。男は縋って。

「神などに祈った所で救いはない。現にお前も、お前の家族も、村の馬鹿共からいいように虐げられて苦しんでいる。何故だろうな?」

そうだと、無言の肯定。虚ろな瞳が、僅かに精気を帯びていく。その内に、翳りが生まれた事に男は気付かない。
ニヤリと、黒い靄が表情を浮かべた気がして。

「『私は今まで神に尽くしてきました。だからどうか私たちに祝福を与えてください』――どれだけ祈った? どれだけ叫んだ? お前がこの数週間唱え続けたこの思いは、何一つ叶う事が無かった。全部無駄だったよな、そうだろう?」

反論も、口にすることができない。存在の真偽がどうであれ、聞こえてくる声は彼にとって紛れもない事実。
何よりも、神託のようにすら思えたから。

「お前の信奉する神は存在する。ただ、お前を見ていないだけだ。ならば、どうする? 辛い現状を、苦しい現実を誰が救うんだ? ――そうだ、お前だ。お前が、お前自身で、お前の手で、家族を救うんだ」

そうして、靄が蠢き、形を成す。
黒卓が消え、駒が消える。虚ろとなった男の身体を、靄が取り巻き包んでいく。
それは力だと、お前が救う為の手段だと、何かが呟いた。

――それこそが三つ目の『呪い』だと、父親はついぞ気付く事はなかった。

                   
――『あなたはいま、しあわせですか (うそつきね)』

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録
【イベント】ペアマッチ
精霊術の習得
増幅:限定解除 を習得!
→ 素質ポイントが上昇! [0→1]
→ 最大HPが上昇! [1100→1150]
→ スタミナが上昇! [25→30]
→ MP増加量が上昇! [11→12]
→ 戦闘設定枠が増加! [11→12]
→ 精製枠が増加! [1→2]
→ 合成枠が増加! [1→2]

増幅:突撃 を習得!
スキルの鍛練
鍛練によって 増幅 のLvが上昇! [8→9]
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [6→7]
攻撃 が上昇! [50→60]
同調によって 補助 のLvが上昇! [6→7]
攻撃 が上昇! [20→25]
精度 が上昇! [25→30]
同調によって 防具 のLvが上昇! [6→7]
防御 が上昇! [45→50]
精度 が上昇! [15→20]
霊玉の装備
【主力:スロット2】結界斬 Lv1 を装備!
メッセージ送信
ディグ [31]5件 のメッセージを送信!
リリス [80]6件 のメッセージを送信!
ナコ [171]7件 のメッセージを送信!
ヨザクヤ [230]6件 のメッセージを送信!
ユーノ [325]1件 のメッセージを送信!
ヤスナ [397]5件 のメッセージを送信!
ナギ [446]8件 のメッセージを送信!

メッセージ

フロー [408]
「…そんなに拒まなくったっていいでしょうに…。」
笑みをどこか寂しげに崩しながら、フローは言う。
それが、対する相手にとって、なんらよい影響を与えないどころか、より強い不信感をもたらすとわかっていながら。

「…そうそう、あなた、協会の異端者狩りの方だそうですね。知り合いから聞きましたよ。」
知、り、合、いと。続けて、ゆっくり発音しながら、彼は『微笑(苦笑【嘲笑】)』い続けている。
「もう彼女とじゃれあった後だそうじゃないですか。
 お若いのにたいそうな自制心をお持ちのようですね。”彼女”を見ていながら、虜になっていないなんて。」
少なくとも、彼が”見た目通り”の”年齢”でないことを、”存在”でないことを。彼自身はすでに隠す気が無いようだ。
…あるいは、”自然な”人間のように振舞わないほうが、君にとって良いと、彼自身が要らない気を回した―あるいは思い違えて―いるのかも知れない。

「きっと、あなたのここ(と言って、彼は自身の胸を指差す。)にも。立派な神が居られるのでしょうね。」
と言って、彼は暫し目を閉じ。
「…ああ、『お前のような者が神を語るな』なんて、無粋なことは言わないでくださいよ。
 安心して…いただくかどうかは別として、僕のここ(と言って、再び彼は自身の胸を指差した)には、神は居られませんから。」
と、取り繕うように言うフロー。
「神を宿していたのは…僕ではなく、僕が”まっとうな”(疑わしいことことこの上ない、と君は思うかもしれない。)道に戻るための、きっかけをくれた人ですよ。」

「彼は、伝道師だと言っていました。あなたと同じ宗派の方かどうかは知らないですけれど。」
けれど、彼の持っていたクロスは、あなたの持っているものと似ていた気がします。と。
フローはそういって、今度こそ、カウンターへと向かって歩いていった。

イベント(武術会【混沌杯】)

イベント名
パーティ名
メンバーライナス
 [E-No.119]
オボロネ
 [E-No.150]
ななこ
 [E-No.784]
ゲオルグ
 [E-No.865]

イベント(ペアマッチ)

イベント戦の設定
「イベント登録」で「対戦相手指定設定」「霊玉の装備」などの設定を行えます。
イベント名
パーティ名
メンバーライナス
 [E-No.119]
イサナ
 [E-No.496]

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーライナス
 [E-No.119]
ナコ
 [E-No.171]
ヨザクヤ
 [E-No.230]
フロー
 [E-No.408]

プロフィール

クラス
種族
性別男性年齢15歳身長201cm体重96kg
短く刈られた藍色の髪、若緑の眼。
鍛えられた肉体は頑強そのもので、墨黒の僧衣の下からでもその存在感を主張する。
常に閉ざされている様な細目の奥の瞳は、どこか少年の様な純真さを秘めていた。

その姿とは対照的に、幼きに傾倒した思考回路。
職業柄か丁寧に徹した言葉遣いをするものの、年齢を鑑みれば時折使い方が怪しくなるのも仕方ないと言える。
 
彼は精霊術師ではない。
それどころか、力を借りるべき精霊の姿すら、彼の眼は映さない。

・"教会"
 救いが欲しいと、誰かが求めた。
 信仰心を礎に、人々は集団を形成し、やがて組織を構成した。
 唱えられるのは、唯一神への祈り。唄われるのは、賛美歌と感謝。
 故に、人々は恐怖した。その与えられた救いが破壊されることを。
 共同体が忌む物とは外。それこそ即ち、自らに迎合せぬ異端。
 裁きを与えよと、誰もが求めた。

アイコン一覧

12

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
1150000012301420
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
9.7800030000

素質

素質素質素質素質
HPアップ Lv1

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
1増幅強打40------××
122増幅突撃40------××
2増幅連撃----40--××
210増幅瞬斬----40--××
128増幅神速----40--×
130増幅命中----40--×
3増幅防御------40×
58増幅属性攻撃耐性増幅10101010×
278増幅限定解除10101010×
14強化均衡能力強化10101010
15強化攻撃能力強化20--20--

装備品

主力:両手(武器)LvCP攻撃防御精度
TWISTER
両手に装備された、十字を模したパイルバンカー。長い黒杭が二本装填されている。
7360010
スロット1土MPアップ Lv1
スロット2結界斬 Lv1
スロット3
補助:補具(防具)LvCP攻撃防御精度
特務第13課制式外套
僧衣ごと覆う、白色の外套。魔力繊維・聖霊銀繊維含有礼装の一つ。
73251530
スロット1
スロット2
スロット3
防具:重装(防具)LvCP攻撃防御精度
祝福儀礼済僧衣
「教会」で一般的に用いられるカソック。邪性に対する抵抗を持つ。
7305020
スロット1
スロット2
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1651225061151122
補助0000

同調値一覧

霊玉名(武器)同調値
結界斬2
霊玉名(武器・防具)同調値
土MPアップ4
土の支配者4

霊玉名:【青字】同調値は上昇可能/【赤字】同調値は上限に達している

所持アイテム (2/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1土MPアップ Lv1100
2霊玉主2結界斬 Lv1(武器)100
サブクエストポイント
精霊兵研究所(ヘルミーネ)300
トップページ冒険結果一覧 > E-No.119 (第8回:2012/11/3)