精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.248 (第9回:2012/11/10)

E-No.248

本名:エメ・デュプレ
通称:エメ

【戦闘結果】【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】

一言メッセージ
 父の書斎は、つねに扉がちいさく開いています。そのころのわたしを語るにはまだささいな事実のひとつに過ぎませんが、ともかく父の書斎はそういう部屋でした。つねに開放されていなくてはならない場所だったのです。
 明るい午後でした。室内をゆるやかな風が通りぬけ、積み上げられた書類の裾が木立のように乾いた音を立てています。わたしが父の仕事場を冷やかしていると、古い床は踏みしめるたび甲高い音を上げます。もちろん父は机に向かったままぴくりともしません。仕事ちゅうはわたしを省みない父にもすっかり慣れてから、いくらかの時間が経っていました。
 それでも大好きな父を日がな一日捕らえて放さないのですから、紙の上でどれほどの物語が繰り広げられているのか、当然わたしは気になっていました。父の横からそっと机をのぞき込むことを覚えたのも、自然なことのように思います。
 それはささやかな気持ちが駆り立てたいたずらでしたが、文字に捕らわれた父を間近で目の当たりにしたその瞬間、わたしの心臓はいっぺんにひっくり返りました。
 父の、まるで木の枝で骨組みを拵えたかのような薄い横顔が、窓から差し込む光に輪郭を際だたせています。そのまなざしはまっすぐに原稿用紙へ下りていて、すぐ隣にわたしがあることにも気づいていない様子です。伏し目がちなまぶたの奥で、碧眼は暗いガラス玉めいてつやめき、時おり思い出したかのようにまばたきをします。握られたペンはさながら六本目の指です。銀色の爪が、速まることもつかえることもなく一定のペースで文字を刻んでいます。唇は頭のなかにある文字を取りこぼすまいと結ばれ、注意ぶかく見定めていなければ、肩が呼吸に上下していることだって分かりやしません。
 いつしかわたしは息を殺していました。このひとは本当にわたしの父でしょうか?その横顔が知らない人間のものでないと証すことさえ、むずかしいように思われてきます。わたしは本当にこのひとの娘なのでしょうか?わたしは父の姿と、わたしの父になる前の父の姿とを同時に幻視していました。おそらくは父の死に顔すらも。
 その後もわたしは父から離れがたく成長してゆきました。この背が伸び、原稿の表面を覗けるようになると、いつしか父の書きものには種類があることにも気がつきました。それは主に使われるインクの色に、紙に向かう父の横顔に、仕事を終えたあとのひと息のなかに見いだされたものです。わたしはそれらを《よい仕事》《わるい仕事》と胸中で呼び分けていました。
 父の瞳のように青黒いインクはよい仕事。椅子から立ち上がった父はいかにも心地よい疲れに満ちています。そして、父を打ちすえるわるい仕事は血のように赤いインク。自分の親がけわしい顔を揉みほぐしてまで笑うのを、見過ごすことなどできません。
 パパはなにを書いていたの?なぜ悲しそうな顔で笑うの?けれど見上げたわたしのくちびるは、父の匂いに、声に、腕のぬくもりによってふさがれました。それを訊くことが父をより悲しませることになると、幼心にも察せられたからです。
 のちに赤いインクの正体を知ったのは、父の口からではありません。また、父の表情どおりによい答えでもありませんでした。
 父は、赤いインクで自分の文字を書いていたわけではなかったのです。

 あの赤いインクは、他人の文字を殺すために使われていました。
 論文を、小説を、書評を、コラムを、友情にあふれた手紙を、わたしのための物語を、ありとある文字を生み出した父が、同時に赤いインクで愛すべき文字を殺していたのです。父に殺されたものはときに書籍であり、書簡であり、書面でした。いずれも赤いインクが文字の列を真横につらぬき、文字の首をくくり、もとの文字をあるべき行間からさらし者にしていました。父がいつからそのような仕事をするようになったかは知りません。わたしに判っていたのは、それが父に、わたしたち親子に、そして《帝国》にとって、ひどく避けがたい職務だったということだけです。
 いくつもの顔、いくつもの筆名、いくつもの蔵書。今なお茫漠として捉えきることのできない父の姿のうちのひとつが、この《検閲官》と呼ばれるものでした。

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録
精霊術の習得
増幅:限定解除 を習得!
素質の開花
HPアップ Lv1 を開花! [-1P]
→ 最大HPが上昇! [1100→1150]
スキルの鍛練
鍛練によって 増幅 のLvが上昇! [9→10]
アイテムの購入
抽選に外れたため アイテム精製の極意 Lv1 を購入できなかった……
抽選に外れたため 匠の技 Lv1 を購入できなかった……
かばう Lv1 を購入! [-350GP]
【今回の抽選結果を表示】【次回の販売アイテム一覧を表示】
アイテムの精製
霊玉原石 Lv1 を精製!
水の加護 Lv1 を獲得!
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [7→8]
攻撃 が上昇! [35→40]
精度 が上昇! [35→40]
同調によって 補助 のLvが上昇! [7→8]
攻撃 が上昇! [35→40]
精度 が上昇! [35→40]
同調によって 防具 のLvが上昇! [7→8]
防御 が上昇! [14→16]
精度 が上昇! [56→64]
霊玉の装備
【防具:スロット2】猛毒耐性 Lv1 [+1] を装備!
メッセージ送信
レイス [759]1件 のメッセージを送信!

メッセージ

ニーネ [163]
「もー。エメったら本当にパパさん大好きっ子なんだから」
「……私?」
「う、うーん……?」
 少しの間首を傾け、思案する……なんともいえない表情。
「いた、ような、いなかった、ような……胸がどきどきして張り裂けそうになったかっていうとそんなことはないし、独り占めしたかったかっていうと、やっぱりそんなこともないような……」
「…………いない、かなー。うん、お互い素敵な出会いがあるといいね」
ふっと現実に戻ったような表情で、ため息をついた。

「気難しいのかどうかはわからないですけど、変に正直な人だったみたいですよ。
 ……まぁ、その、だからあまり好きになれないんですけどね?」
「……父がちょっと前に手紙を送ってきたんです。色々書いてありました。父のこと、母のこと、私のこと……。あの人、私のことをなんて書いてたと思います? 私……父にとっての私は、母のおまけだったんだそうです。だけど、確かに愛してたって、そう書いてありました」
「……わざわざ手紙を送ってきて理解しろってほうがおかしいですよ、そんなこと。
 だから、手紙だけでは理解してあげないことにしたんです」
「愚痴になっちゃいましたね、ごめんなさい」
「なるほど……ユベールさんはエメのお兄ちゃ……いえ、お母さんなんですね!」
「なるほど……なるほど……」
なにやら妙に納得している……。
アジコ [235]
「診療――所?」

ごくりとアジコの喉が鳴る。動揺で表情が消えてしまったまま眼の前の娘をまじまじと凝視するが、その無邪気な笑みに他意は無さそうだ・・・
はっと気付き、にこりと微笑みかける。

「あぁうん、こんにちは。傷薬が入用ってことは、お嬢さんも冒険者? 確か、そうだな・・・ここから暫く歩いたところに診療所があったのは知ってるけれど、このあたりはごちゃごちゃしてるからな・・・うーん」

人に道を教えるのは、苦手なのだ。困ったようにがりがりと後頭部を掻く。
「・・・」
「・・・ま、いいや。近くまででもよければ案内するよ」
ロジーヌ [281]
「話してみれば、たしかにそうね、声も顔も喋り方も。
 ちっとも”冒険者っぽくない”わ。
 身なりもいいし、高価そうな服とぴかぴか光る貴金属。
 そういうことじゃない?」

手にした蝋燭消しを、指先でくるりと回して。

「色は、光でしょう?
 決まった色の蝋燭に火を点けると、人は、その色をしばらく支配することができるの。
 貴女も試してみたらいいわ。
 薔薇色の蝋燭を用意して、火を点けたら、燃え尽きるまで恋する人のことを考えるの。
 相手はたちまち貴女の虜よ。
 そう――できれば、夜がいいわ。誰にも見られないで。
 たった一人で、炎だけを見つめて」

少しの間黙って、《チャリオット》から伸びる飾り紐を指先に遊ばせる。
それから紙筒を取り出し、結局のところ吸わずに仕舞って。


「ふうん……貴女のは、エメ、何だかすごく解かり難いわね。
 ”宿る気がする”、それで、それだけで術はじっさいに発動するの?
 ……まあ、協会の試験にパスしているんだから、そうなんでしょうけど」
パピィ [300]
「う、うん…任せて…っ
 甘くて美味しい蜜をくれる限り…いくらでも羽ばたけるから…
 エメちゃんの素敵な言葉やキラキラの宝物、それだけであたしは勇気をもらえるの」
エメの口から語られる異世界ノタウィア・マニスの様子に目を輝かせる
「…す、すごい…この世界の外に、そんな素敵な世界が広がってるなんて…っ」
「あ、あたしの故郷はね…ハイデルベルクから北…馬車で五日ぐらいの田舎街で…大きな工場があるだけだったの…不格好な歯車や煙突が工場から突き出してて、いつも大きな音をたてながら水蒸気をシューシュー吐いてて…街中が灰色で、ノタウィア・マニスとは大違いだね…」
「お父様は、その工場の偉い人だったんだって…お母様も、精霊協会を支援する活動家だったみたい…二人共いそがしくって、お家に帰ってくるのがいつも夜遅かったから…あたしは2人におやすみのキスがしたくて、夜中まで起きようとして、よく家政婦さんを困らせてたの」
「後で知ったんだけれど、工場で作っていたのは武器だったみたい…あたしたちの剣や鉄砲のような…ちょっと複雑な気持ちだけれど、でも地方の街を守るためには必要だものね…でも魔物さえいなかったら、お父様は武器じゃない…お人形や玩具のような、素敵なものを作れたのに…」
「…エ、エメちゃんのお父様は、どんなお仕事されてたの?エメちゃんも、ユベールさんも、とっても品がいいから、お父様は学者様やお医者様のような偉い人だったりするのかな?ノタウィア・マニスには、いやらしい魔物がいなければいいけれど…」
「は、はい…あたしもそう思います。お父様は、誰をも愛せる人でしたから…
 きっと、天国でユベールさんに感謝してると思います…あ、あたしたちを守ってくれて、ありがとうございます。はい、きっと…わがままを言って困らせてしまうけれど…よ、よろしくお願いします」

トレード

パピィ [300]
55GP を受け取りました!

イベント(ペアマッチ)

イベント名
パーティ名
メンバーニーネ
 [E-No.163]
エメ
 [E-No.248]

イベント(大武術会)

イベント戦の設定
「イベント登録」で「対戦相手指定設定」「霊玉の装備」などの設定を行えます。
パーティの編成
ランダムにイベントパーティを結成した!
イベントでの連絡用に、パーティメンバー限定の「掲示板」が自動作成されました!
※自動作成された掲示板はログインしないと表示されません。
イベント名
パーティ名
メンバーサイハス
 [E-No.6]
パイロープ
 [E-No.55]
猫様
 [E-No.118]
シュラル
 [E-No.132]
椿
 [E-No.145]
ニーネ
 [E-No.163]
シュピーゲル
 [E-No.221]
さくら
 [E-No.237]
エメ
 [E-No.248]
琥毬
 [E-No.254]
リリーエ
 [E-No.298]
ジャン
 [E-No.387]
クイ
 [E-No.1015]
ラズ
 [E-No.1022]
ケサ
 [E-No.1026]
ユエ
 [E-No.1044]

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーシュラル
 [E-No.132]
ニーネ
 [E-No.163]
エメ
 [E-No.248]
パピィ
 [E-No.300]

プロフィール

クラス
種族
性別女性年齢18歳身長163cm体重52kg
明るい少女と長身の男の二人連れ。
異世界「ノタウィア・マニス Notavia manis」の出身。

エメ・デュプレ Aimée Dupré
 碩学の亡父に憧れ、精霊術の勉強に励む少女。
 見識を広げるために自ら冒険者の道を選んだ。
 赤みを帯びた金髪に澄んだはしばみ色の瞳を持つ。
 肉付きは健康的でふっくらとして、いかにも育ちの
 よさそうな顔立ちはくるくると表情を変える。
 明朗快活で好奇心旺盛。よく食べよく寝てよく遊ぶ。
 時に頑固で無鉄砲だが嘘はつかない。
 趣味は動物とのふれあい、昆虫採集。
 ジビエの調理が得意。
 父に宛てた『手紙』を書き続けている。

ユベール・ドービニェ Hubert d'Aubigné
  クラス:ウォーロック 種族:人間
  性別:男性 年齢:38歳 身長:185cm 体重:73kg
 
エメの亡父ジルの友人。後見人としてエメに同行。
 肩まで伸ばして括った焦茶の巻き毛、鷲鼻。
 明るい碧眼は郷里で強い魔力を持って産まれた証。
 首元の草臥れたストールに愛着があるようだ。
 物腰穏やかでよく笑い、手隙には読書を好む。
 時おり礼儀を失したエメに説教する姿も見られる。
 戦闘ではノタウィア・マニスの魔術を行使する。
 特技は家事全般と長話。独身。

※メッセージはお気軽にどうぞ。基本的にエメが交流のメインですが、話題を振って頂ければユベールでもご返信いたします。
※クエスト中はエメとユベールが戦闘に参加します。イベント戦闘ではエメが単独で戦います。

アイコン一覧

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サブプロフィール

ジル・デュプレ Gilles Dupré
  クラス:ウィザード 種族:人間
  性別:男性 享年:43歳 身長:176cm
 
エメの父親。博物学者、文筆家。ユベールより9歳年長。
 赤みを帯びた金髪に痩せぎすの風体。
 深く濃い碧眼は郷里で特に強い魔力を持って産まれた証。
 ユベールを始め、多くの協力者と共に百科事典「万象の鑑」の編纂を
 手掛けていたが、4年前に志半ばで病死した。

百科事典「万象の鑑 Vos quadi
 
異世界「ノタウィア・マニス」で刊行中の百科事典。
 既刊は本編3巻、図録1巻。現地における苛烈な出版統制と弾圧のため、
 公刊には莫大な労力を要する。
 現在の責任編纂者はジルの友人ゲルトナー。

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
1150000012800395
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
11.3600030000

素質

素質素質素質素質
HPアップ Lv1スタミナアップ Lv1

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
1増幅強打40------××
122増幅突撃40------××
250増幅憤怒40------××
2増幅連撃----40--××
212増幅乱撃----40--××
210増幅瞬斬----40--××
128増幅神速----40--×
129増幅超神速----60--×
3増幅防御------40×
50増幅状態異常耐性増幅10101010×
278増幅限定解除10101010×
15強化攻撃能力強化20--20--

装備品

主力:二刀流(武器)LvCP攻撃防御精度
エメのショートソード
使い込まれた片手剣。エメの手によく馴染んでいる。
8440040
スロット1連撃 Lv1
スロット2麻痺付加 Lv1
スロット3
補助:二刀流(武器)LvCP攻撃防御精度
ユベールの魔剣
ユベールが戦闘中のみ顕現させるサーベル。
8440040
スロット1睡眠付加 Lv1
スロット2
スロット3
防具:軽装(防具)LvCP攻撃防御精度
パパの指輪
エメが革紐に通して胸元に提げている銀の指輪。
8401664
スロット1スタミナアップ Lv1
スロット2猛毒耐性 Lv1 [+1]
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1121124056115155
補助1121124056

同調値一覧

霊玉名(武器)同調値
睡眠付加5
麻痺付加4
連撃4
霊玉名(防具)同調値
スタミナアップ5
猛毒耐性2

霊玉名:【青字】同調値は上昇可能/【赤字】同調値は上限に達している

所持アイテム (7/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1連撃 Lv1(武器)(二刀流のみ)100
2霊玉主2麻痺付加 Lv1(武器)100
3霊玉補1睡眠付加 Lv1(武器)100
4霊玉防1スタミナアップ Lv1(防具)100
5霊玉防2猛毒耐性 Lv1 [+1](防具)100
6霊玉かばう Lv1(防具)100
7霊玉水の加護 Lv1100
トップページ冒険結果一覧 > E-No.248 (第9回:2012/11/10)