精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.172 (第9回:2012/11/10)

E-No.172

本名:ペーター・リア・フォン・オッフェンレンツ
通称:ペーター

【戦闘結果】【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】

一言メッセージ
醜聞はどの土地にもある。とはいえただ人のなす悪行だけでは醜聞にならない。高潔さや偉大さが悪への欲望に兜を脱ぐとき、それは醜聞になる。どんな気高さも一枚剥けばそこには獣が潜んでいると、己の内の獣性に自覚的な者であるほど、信じたがるものだ。人は嘘に敏感である。名家や良家と呼ばれるものであるほど、その下にある者は、片方の手で崇めながら、もう片方の手で、いつか嘘を剥ぐ機会を待ち構えている。だからこそ醜聞は醜さと呼ばれる。隠し通してきた醜さは、そのヴェールのほつれ目から、いずれ人に復讐する。

古い話である。

ペーター・リア・フォン・オッフェンレンツの妻の葬儀は雨の煙る寒い日に行われた。山を下りてきた霧が静かに畑を取り巻くようにして伸び、葬列の松明はその勢いを儚くしていた。その当時はまだ、小さくはないにせよ巨怪ではなかった館を出た棺は簡素だった。遠地からオッフェンレンツのために嫁ぎ、若くして死した女のために用意された棺は、はじめ使用人の手違いのため子供用の大きさをしか持たなかった。勝負事にいささかのめり込む気質のあったとはいえ、穏やかで知られた当主ペーターの激昂する姿を見たのは多くの者にとって初めてのことだった。「こんなに小さなところに彼女を入れろというのか!」。しかし寒さの厳しかったその季節に、大人のための棺はあまりに少なかった……貴人を容れるにはひどく飾り気のない棺が急ごしらえで作られ、妻はそこへと納められていた。

愛し合った二人だった。ゆえにこそ塞ぎがちな日々を送る当主の姿に、使用人の多くは同情的だった。

妻の死後、ペーターは奇妙に、扉を開け放しにしがちになる。やがてそのドアも少しずつ開放の度を狭めてはいったが、猫の入る隙間のように、ほんの少しだけ扉を開ける癖は、しばらくのこと続いた。


キワコという少女は私が当代を継ぐ折に引き合わせられた。使用人と聞いていた。美しい黒髪の年若い、しかし匂い立つ気配はあまりに動物じみていて、どこか少女というよりは牝という形容を思わせ、すぐにそのあまりに背徳的な言葉を打ち消したのだった。彼女の挙措は礼儀正しく、言葉遣いも訛りを思わせず丁寧ではあったが、すべてがどこかままごとめいていた。
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キワコは恐らく〓〓〓〓なのだろう。彼女はあまりにもものを知らず、あまりにも縛られず、あまりにも奔放で、あまりにも私を見棄てなかった。多くの使用人が私の浪費癖(と彼らには映っただろう)をたしなめ、やがて去っていたあとにも、彼女だけは残っていた。いや、というよりも、彼女にはほかに行き場がなかった。
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無論、キワコは一人でも生きていけるだろう。野山で動物を狩り、肉を食い血をすする姿も、キワコには不思議ではない。しかしまた一方で、例えば屋敷のなくなったあと、一人でめそめそといつまでも泣いていて、やがて身を細らせて死んでいく姿も、また、キワコらしいとも思うのだ。キワコは使用人であるよりほかに生き方を知らない。彼女の生き方が、使用人という常識通りの名づけの枠から、あまりにもはみ出しているにせよ……。
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キワコは私にとって守らねばならない弱者だ。病者や狂者のように。オッフェンレンツは貴人の家であり、貴人は、いつもその力をもって、ノブリス・オブリージュを果たさなくてはならない。しかしまた一方で、私は自らがキワコに縋っていることも知っている。初めて出会ったときに牝と連想したその通りに。牝……それはおそろしく差別的な呼び名であるとともに、女の野性の核心を名指す名でもある。男は、女の野性に飢える。その野性のふところで眠ることを夢見ない男がいるだろうか?
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それでも私はキワコを抱くべきではなかった。


オッフェンレンツ家の当代が扉を開けて過ごすのは、後妻を待っているのだと噂された。あるいは、いっときの女の慰めを、それとなく促しているのだと……使用人たちのうちに明日の日の身分を夢みて誘いかけるもののなかったと言い切れるだろうか?

けれど後妻も愛人も世の口には現れないまま、やがてペーターの扉はきちんと閉められるようになった。ほんの些細な醜聞を気にかけたのだろうと、それもまた噂にささやかれた。ペーター様も男なのだものそうしたこともあるさと奇妙な寛大さを装った訳知り顔さえ時には付されていた。……それも、屋敷を広げる数々の工事と、その費用の心配の噂によって、速やかに上塗りされていった。


妻の葬儀のあとから、私は奇妙に壁や閉ざされたものを恐れがちになっていった。決して手狭のはずのない部屋の中で、息ができなくなるように思った。妻の深い墓穴を満たしていった土や花が、私を取り巻いて話さない夢を見た。ぼんやりと天井を見る日が多くなった。なぜそこは閉ざされているのだろうと、時には詮ない自問をしていた……妻を埋めた土はあの日の寒い雨から妻の棺を守ったことさえ忘れて。
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「キワコ! 忘れ、忘れてくれ。違うんだ。こんなことをするべきじゃなかった。キワコ。君は何も悪くない。でもこうしてはいけなかった。これは、このことは、そっと、あまりおおっぴらに、してはいけない。やめよう、キワコ。僕はもうこういうことは、しない、僕とこういうことをしてはいけない。妻へにも、不義になる。君にも、失礼になる。父にだって、頼むと言われたのに、申し訳が立たない。いけない、いけなかった。本当にすまない、君はただ、でも、でもやめよう。服を、整えるんだ。下着をきちんと、それに釦を、きちんと上まで留めて、ああ、靴をお履きなさい、髪も整えなおして、それでそれから、そうだ、ベッドを整えて、シーツを、整えてくれ、きちんと、なにも、なにもだよ、なにもなかったように、皺を伸ばして……」
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私の男性が勢いを失わなかったとすれば、私はあのまますべての次第を続けていたのだろうか? いや、そうではない、と、自問には答えられる。あのいっときを越えたとしても、果たされていくいくつかの手続きのどこかで、恐怖は私を捕まえただろう。恐怖。私はキワコの内秘へ這入っていくことに、ひどく恐怖した。そうして私は言語化とともにすべてを理解し、私の恐れているものがあることを知ったのだった。

私には、壁が怖い。狭いところが怖い。光のない穴の中へ行くことが怖い。

私には、子が作れないだろう。狭く閉ざされた洞穴へ、勢いを保ったまま這入っていくことはもはやできないだろう。試みればそのたびに、私の茎は、意気を阻喪し、挫け、項垂れ、すべては中断のままで終わるだろう……紛れなく私を苛む、あの逃れがたい恐怖によって。

オッフェンレンツ! 続いてきた血脈のぶざまな突端! ああ!

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録、セリフ登録、精霊術設定登録、霊玉設定登録
【イベント】ペアマッチ
マーケット出品
ナギ [446]睡眠耐性 Lv1 を売却! [+200GP]
アスク [123]霊玉原石 Lv1 を売却! [+190GP]
ボニー [5]ワクチン生成 Lv1 を売却! [+140GP]
精霊術の習得
増幅:結界斬 を習得!
増幅:憤怒 を習得!
精製:武器魔力付与 を習得!
素質の開花
火MPアップ Lv2 を開花! [-1P]
→ 火MPが上昇! [20→40]
スキルの鍛練
鍛練によって 増幅 のLvが上昇! [8→9]
アイテムの購入
抽選に外れたため 狙い撃ち Lv1 を購入できなかった……
抽選に外れたため アイテム精製の極意 Lv1 を購入できなかった……
抽選に外れたため 匠の技 Lv1 を購入できなかった……
【今回の抽選結果を表示】【次回の販売アイテム一覧を表示】
アイテムの精製
霊玉原石 Lv1 を精製!
→ [+1] … 失敗 [10%]
腐食 Lv1 を獲得!
霊玉原石 Lv1 [+1] を精製!
→ [+1] … 成功! [100%]
覚醒 Lv1 [+1] を獲得!
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [7→8]
攻撃 が上昇! [12→13]
精度 が上昇! [58→67]
同調によって 補助 のLvが上昇! [7→8]
防御 が上昇! [20→30]
同調によって 防具 のLvが上昇! [7→8]
防御 が上昇! [20→25]
精度 が上昇! [50→55]
霊玉の装備
【主力:スロット2】火炎付加 Lv1 を装備!
【主力:スロット3】覚醒 Lv1 [+1] は「武器」には装備できなかった……
【補助:スロット1】腐食 Lv1 は「防具」には装備できなかった……
【補助:スロット2】覚醒 Lv1 [+1] を装備!
メッセージ送信
キワコ [96]1件 のメッセージを送信!
トモリ [272]2件 のメッセージを送信!
カシ [763]1件 のメッセージを送信!

メッセージ

サエトラ [108]
「ええ。ですから、お気づきのことがあれば仰ってください。
 わたしは、わたしが今までに持たなかった美観を、オッフェンレンツが…
 あるいは、このお屋敷やお庭や、ペーター様が。
 新たにわたしに授けてくれることを、とても幸運に思っていますから。」
「えっ。字が? それでは、 …」
 思わず問いをなげかけたものの、躊躇いがちにそこで言葉を切った。 

「おや!『クロマ・セロシア』の名を覚えてくださっているなんて。従弟が喜びます。
 あれはセロシアでも今までにほとんど類を見ない、服飾の…
 つまるところ、金属では扱えない様々な色を扱うブランドですから、
 他のセロシアよりもひときわに賑やかに映るでしょうね。」


「武器が売れれば売れるほど、言いかえれば争いが起これば起こるほど――
 あるいは人にとって害ある獣や魔物が増えるほどに、セロシアは栄えてきましたから。
 今でこそ芸術と金属細工の家という扱いを受けていますが、
 元をたどれば武器職人です。セロシアの人間は皆、基本的には戦いが好きですよ。」

「今の、オッフェンレンツですか。
 ペーター様も日記を書かれているのでしょうか?
 今のオッフェンレンツがいつか過去になるときに、その日記も歴史書になるのでしょう。
 …当たり前ですが、ふしぎなことですね。
 今がやがて過去になり、やがて次の世代のものが、それまでの歴史を受け継いでゆく、
 ……、
 いえ、ごめんなさい。」

トレード

キワコ [96]
火炎付加 Lv1 を受け取りました!

イベント(ペアマッチ)

イベント名
パーティ名
メンバーキワコ
 [E-No.96]
ペーター
 [E-No.172]

イベント(大武術会)

イベント戦の設定
「イベント登録」で「対戦相手指定設定」「霊玉の装備」などの設定を行えます。
パーティの編成
ランダムにイベントパーティを結成した!
イベントでの連絡用に、パーティメンバー限定の「掲示板」が自動作成されました!
※自動作成された掲示板はログインしないと表示されません。
イベント名
パーティ名
メンバーキワコ
 [E-No.96]
サエトラ
 [E-No.108]
アルテ
 [E-No.162]
ペーター
 [E-No.172]
トモリ
 [E-No.272]
リリー
 [E-No.336]
ラン
 [E-No.394]
ヤスナ
 [E-No.397]
アニス
 [E-No.490]
月血鬼&月影之狼
 [E-No.505]
クロ
 [E-No.506]
アーサー
 [E-No.614]
Acht
 [E-No.629]
ホノカ」
 [E-No.869]
ミリー
 [E-No.1075]
精霊兵『青龍』
 [NPC]

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーキワコ
 [E-No.96]
サエトラ
 [E-No.108]
ペーター
 [E-No.172]
トモリ
 [E-No.272]

プロフィール

クラス
種族
性別男性年齢45歳身長172cm体重47kg
Peter Lear von Offenlenz
 名家オッフェンレンツ家を束ねる当代。身なりの整った痩せた男。
 憑かれたように屋敷の増築を繰り返す。

妻には先立たれ、子はない。兄や姉、両親も既に他界し、先祖代々の広大な土地に孤独な屋敷を構える。
ペーターの代での度重なる改修に財政は傾き、使用人たちは去っていった。

穏やかで落ち着いた物腰。常に憂いを帯びた表情。
閉所恐怖症。閉じ込められることを恐れる。
壁の爆破や破壊に安堵を抱く面がある。

酒に強く、酔えない。煙草は吸わない。
屋敷の上階から遠くを見るのが好き。老眼。

領土オッフェンレンツ
「開かれた春」の名を持つ豊かな土地。ハイデルベルクから馬で二日ほどの距離に広がる田園地帯。
古来魔物たちの襲撃から農民を守ってきた家が次第に勢力を増し、農民たちを守る代わりに年貢を受け取るようになり、やがて土地の領有権を持った上で農民に貸し出して税を取る、という形の地方豪族となった。
魔物の対策をするその性質上オッフェンレンツ家は精霊協会とつながりが強く、代々の当主は試験をパスして協会に所属する習いである。
家紋は春の花々が囲む門。家の花はミモザ。オッフェンレンツの春の始まりにはミモザの花束を抛る祭りがある。

地と水の精霊力に恵まれた肥沃な土地で、四季折々の植物が咲く。草原が広がり、木々が生え丘があり、小川が流れ畑が並ぶ。周囲は山に囲まれているが、どの山もそれほど険しくはない。家々はちらほらと並び、住民は多くない。山を降りてくる猪や狐による獣害が土地の悩み。精霊や妖精が息づき、古い伝承をいくつも残している。

クレジット
 icon [9] by キワコ(E-No.96)
 icon [10], party icon by キワコ(E-No.96)
 icon [11] - [20], {31} - [40] by ロジーヌ(E-No.281)

アイコン一覧

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サブプロフィール

オッフェンレンツ家・屋敷

オッフェンレンツ家の屋敷は元来それなりに大きなものだったが、ペーターが当主となってからの十年で大幅にその外観を変えた。
ベージュと赤が基調とした先祖伝来の構造を母体に持ちながら、内部は壁が撤去されつつ大きく拡張され、外観にもいくらかの付け足しがある。

屋敷は今も巨大になり続けている。

現在3階建て。1階から2階にかけては中心のほとんどが吹き抜けになっており、高い天井を思わせる。
塔を建造中。
広い庭は庭師のいなくなってより以降荒れ果てていた。現在はサエトラ(E-No.108)が管理している。

住人は現在、ペーター(172)、キワコ(96)、サエトラ(108)、トモリ(272)の四人のみ。
衛兵のたぐいはないが、屋敷のあちこちに妖精(と呼ばれるなにか)がうごめいている。

山に囲まれたオッフェンレンツの肥沃な土地のなか、見晴らしのいい場所に立つ。

冬の日には煙突から吐き出される煙がオッフェンレンツの野にたなびいている。

家を象徴する花はミモザ。

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
11004000012300875
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
9.420000003.272.91

素質

素質素質素質素質
火MPアップ Lv2

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
1増幅強打40------××ミモザの赤熱
122増幅突撃40------××ミモザの澎湃
250増幅憤怒40------××
2増幅連撃----40--××ミモザの散逸
210増幅瞬斬----40--××ミモザの足掻
128増幅神速----40--×ミモザの遅咲き
130増幅命中----40--×レンツの領野
3増幅防御------40×拒みのシュロウス
36増幅治癒--40----×シュロウスの泉
265増幅結界斬------40××
24中和減衰10101010×フェルトの開け
28精製魔力回復10101010×レンツの脈動
30精製武器魔力付与20--20--

装備品

主力:遠隔(武器)LvCP攻撃防御精度
『開かれた春』
先込式の大砲。弾は協会による特注品であり軽い。『春をよぶ鍵』でのみ着火できる。
8413067
スロット1狙い撃ち Lv1
スロット2火炎付加 Lv1
スロット3
補助:補具(防具)LvCP攻撃防御精度
『春をよぶ鍵』
春ごとに束ねられるミモザの花束。火の精霊力を持ち、花弁は灼けるように熱い。
84253025
スロット1
スロット2覚醒 Lv1 [+1]
スロット3
防具:軽装(防具)LvCP攻撃防御精度
『春の閉域』
オッフェンレンツ家当主を囲う結界の呪い。指に喰い込む構造をした当主の指輪が媒体。
8402555
スロット1
スロット2
スロット3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1281682538125156
補助0000

同調値一覧

霊玉名(武器)同調値
火炎付加2
狙い撃ち5
霊玉名(防具)同調値
睡眠耐性5
覚醒2
霊玉名(武器・防具)同調値
ワクチン生成4
フィナーレ2

霊玉名:【青字】同調値は上昇可能/【赤字】同調値は上限に達している

所持アイテム (6/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1狙い撃ち Lv1(武器)(遠隔のみ)100
2霊玉主2火炎付加 Lv1(武器)100
3霊玉補2覚醒 Lv1 [+1](防具)100
4霊玉腐食 Lv1(武器)100
5素材狼の牙25
6素材狼の牙25
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