精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.36 (第28回:2013/3/30)

E-No.36

本名:ルスキニア・リトゥス
通称:ルスキニア

【戦闘結果】【過去の冒険結果】【メッセージ一覧】【Twitter】【Link】

一言メッセージ

■Saison Mimosa.


メルヴァルツァ軍の砦から奪った馬を駆り、オッフェンレンツ領を駆けり行く。
逸る心を押さえつけて手綱を握る。
冷たい夜風を受け、暗緑色の外套がたなびく。闇夜を駆ける騎影。
馬は夜目の効く動物であり
エルフの血を引く精霊使いであるルスキニアは“熱を視る視力”を備えている。
温かい物は赤く、冷たい物は青く映る視界。
それにより闇夜でも明かりに頼ることなく駆け、メルヴァルツァ軍を避けて進む事が出来た。


(ペーター・リア・フォン・オッフェンレンツ。
 痩身の、退廃的な空気の漂う……領主としての良い噂はあまり聞かない。
 屋敷の増築を繰り返し、挙げ句の果てに冒険者まがいの事をしているような。
 それでも、領民にとっては悪い領主とまではいかないのだろう。
 その程度の弁別までは失っていない。
 肥沃な土地だからこそ、領民にもその余裕があるのだろうが。)

本来は、関係のない話。関わることのないはずの争い。
ハイデルベルクでその顛末を耳に入れるだけの
他人事として過ぎ去るはずだった紛争。

(急がなければ。メルヴァルツァは夜襲を仕掛けるつもりだ。
 隣接領であるメルヴァルツァの侵略戦争。けれど、このタイミングで?
 焦る必要はあるのか。
 世継ぎもなく、傾き続ける家。仕掛けるにしても好機でもないだろう。
 それほどの逼迫した理由が何かあるのか。)

「……いや、そんな理由などどうでもいいか。」

あえて口にすることで思索を断ち切る。
心情としては侵略される側に肩入れをしてしまいそうになる。
だが、あくまで中立の立場だ。そのことを忘れてはいけない。
己の目的さえ果たせれば、それでいい。
そう、己に言い聞かせるように。

外套を寄せ、口元を覆い直す。
ただひたすらに、闇夜を駆け続けた。



◆─◆─◆─◆─◆─◆


鼻息を荒げ、脚がもつれだす。

砦からずっと馬を飛ばし続けてきたがそれも限界が近付いていた。
よく鍛えられた軍馬だが、完全武装した騎士は背負って駆けるには重過ぎる荷だ。
拳の握りを緩め、腰を張り、重心を後駆へ寄せてゆっくりと停止させて鞍から降りる。
血走った大きな目。荒げた息。その身体から白く湯気のように立ち上る。

「よーしよし。ありがとう。ごめんな、無理させて。」

馬の首筋や鼻面を優しく愛撫して褒める。
マナはなるべく温存しておきたい以上、ここからは徒歩でいくしかない。
家の明かりも見えている。そして

(はじまってしまった。)

矢羽が風を切る音。

鋼と鋼のぶつかる音。

戦の音。

土を蹴り、駆け出す。
急げ。急げ。急げ。
その切先が、届く前に。届いてしまう前に。



◆─◆─◆─◆─◆─◆

>[82]マリーさんの一言メッセへ。

◆─◆─◆─◆─◆─◆


マリーを乗せた馬を見送ると、館へと向けて駆け出した。
身体は重い。傷口の痛みと蓄積した疲労がずしりとのしかかる。
精霊術である程度誤摩化してはいるものの、それもいつまでも続くものではない。
そしてまだ、休むわけにはいかなかった。

ガシャリ、ガシャリ

前方から足音が響く。
槍を構えた鉛兵が領民を串刺しにしてはわざわざ首を刎ねている。
それを横から殴りつけた別の領民が鉛の腕で吹き飛ばされ
また別の鉛兵がそれを淡々と貫いていく。

刎ねられる領民の首
軍靴に踏みにじられる花

恨みでもない 憎しみでもない
純然たる、怒り。
怒りが彼の疲弊した身体を突き動かしていた。

ここは己の護る土地ではない
彼らは己が護るべき民ではない
彼らの為に戦う義務は無い
それでも

戦いにすらなっていない殺戮を、蹂躙を
騎士である彼が見捨てられるはずもなかった。
兵士同士の戦いならば状況がどうであれ脇目も振らずに駆け抜けただろう。

(長く厳しい冬に耐え、ようやく迎えた春のはずだ。
 このように踏みにじって良い道理などあるはずが、ない!)

戦槌を振るう。左の肩口を、関節部を潰すように。
人間のそれとは違う。
頭部を砕き、胴体を陥没させたところで死にはしない。
数も多い。一先ずは、戦闘力を奪うだけでいい。
歪んでバランスの狂った鉛兵の腰を横凪ぎに叩き、払いのける。

その横でフラガリアも小さな魔力弾を放って応戦している。
ひらひらと不規則に漂い、鉛兵を翻弄しているが
槍に貫かれてはその形を失い、少しズレた場所に再び姿を現す。
フラガリアを穂先が貫く度に、ルスキニアはその痛みに呻く。
精霊とその主を繋ぐ魂の絆。
その不可視の糸は主を錨として精霊を現世に繋ぎ留め
そして苦痛も繋ぎ、伝える。

戦槌が、盾の殴打が、鉛の兵隊の形を歪めていく。
鉛の槍が精霊銀の鎧を打ち、掠め、肉を削ぐ。
盾の曲面で穂先を滑らせ、受け流して距離を詰める。

振り下ろした戦槌を鉛兵が槍の柄で受け止める。拮抗する力と、力。
押し込めながら、練り上げた風のマナに破砕の意志を与える。


〈───霊よ

戦槌の先端に気流が渦巻き、唸りを上げる。
翠玉色の魔力弾を形成。フラガリアが起こした霊風がそれを制御する。


                 疾く、穿て……ッ


放たれた魔力弾が鉛兵の胸の辺りに着弾し、回転しながら抉り進む。
火花を上げ、螺旋状に削られる鉛兵の装甲。
耳障りな音も、破砕された欠片も、激しい火花も、すべて翠玉色の暴風が吹き散らす。
上半身が捻れ、半ば引き千切られるが止まらない。
更に突き進み、その後ろに居た鉛兵も巻き込んでそこでようやく止まった。

ディラリミィの魔弾。

風の精霊力を用いた射撃術。本来は遠〜中距離で用いる術だが
ルスキニアは戦槌での打撃に絡めて近距離で放つ事が多い。
形状的に刺突には向かない戦槌の欠点を補い、振りかぶらなくてもいいことから
こうして膠着した状態を崩したり、追い撃ちの為に使用している。

暴風の吹き荒れた後を、倒れた鉛兵達を戦槌で砕いて止めを刺す。
内に込められていた精霊力が粉と消え、ぼろぼろに崩れていく。


腰が抜けて立てないといった様子の老人にルスキニアが手を貸し、立たせる。
感謝の言葉を遮り、探し人の特徴を領民たちにざっと説明した。

「帽子の……おう、あのめんこい魔女の嬢ちゃんか。
 確かに、お屋敷の庭作りの手伝いとかで来とったよ。」
「ああ、お客人ならお屋敷に居るんでねぇかな。」

「ありがとう。貴方達は家に戻ってください。扉に鍵をかけて、外には出ないように。
 戦おうとはしないで下さい。彼らの恐ろしさは身を以て知ったはずです。
 俺もこれ以上は助力出来ません。後は……領主様がどうにかするでしょう。」

「お、おう……けどな、けど!」

「無駄死にしたければ好きにしてください。貴方達の命だ。好きに使えばいい。
 尤も、そんなことのために助けたつもりはありませんけどね。
 それに……貴方達の鍬は、敵に振り下ろすための道具ですか?
 そうではないはずです。では、俺はこれで。先を急ぎますので。」

一方的に会話を断ち切り、まだ何か言いたそうな領民たちを置いて、駆け出す。
これ以上は関わらないという、拒絶。
領民たちはその背中を呆然と見送ると、それぞれの家へと戻っていった。



◆─◆─◆─◆─◆─◆

>[127]ミナミさんの一言メッセージへ

◆─◆─◆─◆─◆─◆


静寂。

人気もなく広く静かな館は暖房の熱も行き届かず、寒い。
盾は背負い、戦槌は腰のベルトの金具に引っ掛けて吊り下げる。
外套を手繰り、首を竦めて暗い道を行く。

(領主の館と言うには、あまりにも……)

人が居なさすぎた。広さに、まるで釣り合っていない。
人は居ない。けれど、それ以外の者達が
物陰から 天井から 窓の向こうから
じっと見つめている。突然の来訪者を。異分子を。

「すみません、誰かいらっしゃいませんか! 精霊協会の者です!」

ルスキニアは声を張り上げ、廊下を進む。
扉をノックしてみてもどこも反応は無い。
じくじくと焦燥が募り、蝕んでいく。時間の感覚がゆっくりとずれていく。
けれどこうしている間にも、着実にメルヴァルツァの軍隊は迫っているのだ。
包囲される前に何としても合流をして、脱出しなければ。

(彼女がここに居る、という保証もなにもないんだ。
 せめて、この屋敷の住人に確認を……)

早足になっていく。
暗がりの淵でぬらぬらとしたものたちがそれにざわざわと追いすがり
足下に触れそうなところでぱぁっ、と散る。

ふと、視界の端に白い影が横切ったような気がした。
気のせいだったのだろうか。それとも───

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、セリフ登録
マーケット落札
ヒイラギ [450] から ブロック Lv1 を購入! [-330GP]
ウナ [831] から 睡眠付加 Lv1 [+2] を購入! [-300GP]
精霊術の習得
具現:水の行使IV を習得!
→ 素質ポイントが上昇! [1→2]
→ 最大HPが上昇! [1460→1510]
→ スタミナが上昇! [310→315]
→ MP増加量が上昇! [18→19]
→ 戦闘設定枠が増加! [18→19]
素質の開花
水MPアップ Lv1 を開花! [-1P]
→ 水MPが上昇! [0→20]
スキルの鍛練
鍛練によって 具現 のLvが上昇! [35→36]
アイテムの送付
ヤパ [598]睡眠付加 Lv1 [+2] を送付!
アルテ [162]精霊の恩寵 Lv1 [+4] を送付!
アイテムの合成
鉄壁 Lv1鉄壁 Lv7 [+1] を合成!
→ [+1] … 成功! [87%]
鉄壁 Lv8 [+1] を獲得!
→ 合成したアイテムを ヤパ [598] に送付!
ブロック Lv1ブロック Lv1 を合成!
ブロック Lv2 を獲得!
→ 合成したアイテムを ヤパ [598] に送付!
シールドバッシュ Lv1 [+2]シールドバッシュ Lv1 [+2] を合成!
→ [+1] … 成功! [200%]
→ [+2] … 成功! [100%]
シールドバッシュ Lv2 [+2] を獲得!
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [26→27]
攻撃 が上昇! [130→135]
精度 が上昇! [130→135]
同調によって 補助 のLvが上昇! [26→27]
防御 が上昇! [78→81]
精度 が上昇! [182→189]
同調によって 防具 のLvが上昇! [26→27]
防御 が上昇! [130→135]
精度 が上昇! [130→135]
霊玉の装備
【補助:スロット2】[No.59873] にアイテムは存在しません……
メッセージ送信
マリー [82]1件 のメッセージを送信!
ロット [101]2件 のメッセージを送信!
アルテ [162]1件 のメッセージを送信!

メッセージ

ミシェル [47]
「言われてみればそうでしたわね。最初に此処を訪れた時以来かしら?
 ま、見せびらかすものではないので、それくらいの印象が丁度いいかもしれません。
 コロシアムでの活躍を見た限り、使い魔の扱いに関してはルスキニアさんの方が優れていると思いますわ」
「文化として根付くくらいですから、そんな苦労をしてまで味わいたい物好きは結構いらっしゃるのね。
 行きはまだ楽しみがあるだけ我慢出来ると思いますが、帰りの雪道は大変そう。
 私ならば、少しお金を積んででも近場で優良な物件・シチュエーションを味わうかしら」
「力がある吸血鬼かどうか… 個人的感情であれば、そう言い切りたいところですが
 お父様お母様を始めとする目上の方々のご意見を聞いていない以上、深い部分までの言及は
 避けておきます…。未熟者の勝手な言い分で、恥をかかせる訳にも参りませんので…」
複雑な表情を浮かべている。心なしか、言葉の末に力が抜ける。
「嗚呼。同じ妹として、文句が飛ばしたくなる気持ちに共感してしまいますわ。
 貴方の場合、心配するまでもないでしょうけども、愛ゆえの行動であるため、その際は
 寛容かつ紳士的にご対応いただけると幸いに存じます」
「尤も、騎士の務めの大変さは理解しているでしょうから、過度なレベルには決してならないでしょう。
 私もまた、お兄様のお仕事の大変さを理解しているからこそ、こうして遠方に――……」

会話途中、蝙蝠が飛び近寄って来る。先程とは外装の異なる書簡を持って。

「――……随分と早いお帰りだこと。恐れ入りますが、中身を拝見させていただきますわね」

蝙蝠の運んできた書簡に目を通し始める。ぴらり… ぴらり… と、一枚。また一枚。
三枚目に移って数秒、ミシェルが止まる。彼女だけ、現実世界から切り取ったかの様だ。


≪探し人:ディーンハルト・フォン・デ・アルレッキーノ≫
首都ハイデルベルク北西に広がる鬱蒼とした森 シュヴァルツヴァルト――黒い森――
その周辺から、ノルトゼーに向かって伸びる街路。
そこを一人の少女と共に、先に進む姿を見た証言:多数確認

最新で一週間前であることから、すでにノルトゼーに滞在。
もしくは、更にそこより別場所に移動している可能性も考えられる。





ルスキニアと書簡。数回、交互に見比べる。

「……………さ… …さ、さすがルスキニアさんのアドバイス。
 さ、早速、重要な情報が舞い込んで来ましたわ…っ」
 
素直に喜べず、決して嬉しそうには見えない。
マリー [82]
オッフェンレンツのあの抗争から暫く過ぎた、とある日の出来事。。
精霊協会にて佇み、知人の姿を探す一人の女の姿。
いつもの姿と異なり、外套のマントはほんの少しだけ良いものになり、また、首元にあった首輪もなくなっていた。

「ルスキニア様」
「……先日は、あの、ありがとう、御座いました。
 貴方がいなかったら、多分、……――お戻りになられて良かったです」
「今日は、お別れの挨拶に参りました」

まずは先日の礼。いつものように、深々と頭を垂れた後、顔を上げれば若草色の紙と、筆記用具を取り出し。


「私、色々、旅をして、様々な土地を見て回りたいと思っています。
 ご迷惑でなければ、故郷までの道のり、貴方が見た素晴らしい国、景色……
 何でも構いません。行き先の一つとして、教えてくださいませんか?」

紙に何か書いてもらえたならば喜んで何度も礼を言うだろうし、
たとえ書いてもらえなくとも、挨拶が出来た事を喜ばしく思うという旨を伝えた後に女は足早に去っていくだろう。
その足取りは、以前より、ずっと軽やかであった、筈だ。
ヘルム [109]
「仰る通りですね。
ご心配をおかけしてしまったようで、申し訳ありませんでした」

そう言うと軽く頭を下げた。

「そして、マリーの事をお気にかけていただいて…
ありがとうございます」

「プライドばかりが高くて上から目線、といったところでしょうか。
はは、丸めはしませんでしたが髪は切りましたよ」

笑いながら、切りそろえた辺りを撫でる。

「生死の境で見たもので心を入れ替えた、とでも
しておいてください。
ええ、おかげさまでこの先をより善く、生きていけそうです」
アルテ [162]
「羽は無闇に人に見せるものでは無い…とお爺様から教わりおりまして。
 それに日常生活で必要になる機会も、そう御座いませんので。」
「いろいろ選べるのは楽しいですけれど、迷ってしまいますね。
 いつも森の実りを分けていただいているばかりですので、あまり園芸には詳しくなくて。
 今は植物を育てるお手伝いしているのですが、毎日の成長がとても楽しいですよ。」

「ふふ。フラガリア様の名前は、そのフラガリアが由縁でしたか。
 色づいていくいちごのような、鮮やかで美しい色彩ですものね。」
「料理、ですか。実はまだ挑戦した事が無くて。
 ルスキニアさまのお口にあうものが作れるか自信がありませんが…。
 確かお菓子の応用で出来るものもあったはずで。今度、いろいろと調べてみますね。」

「ご案内をお願いしても良いのでしょうか?
 では…そのときは、ぜひお願い致します。
 全ての命は海から生まれた、などという逸話も御座いますし、
 きっと――生命に満ち溢れた場所なのでしょうね。」

「……あの。今、少し調べている事がありまして。
 人間との契約で縛られている妖精たちを自由にするため
 契約破棄の方法を探しているのです。」

「ルスキニアさまも、フラガリア様と契約をしているとお聞きしました。
 なにか、手がかりになりそうな事をご存知ありませんか…?」

「………!」

背後から名前を呼ばれたと思った次の瞬間、
すでに後ろから抱きとめられていました。
そして―――


「………!!?」

肩を掴まれ、帽子を取られ、数秒後にはその瞳が間近にあって―――そしてまた帽子を被されて。
突然の出来事についていけていないようで
頭から煙が出そうなほど赤くなり、混乱した様子を見せています。


「……あ、あの、ルスキニアさま…… 今……ッ

 おち、落ち着いて、落ち着いてください。
 逃げたりしませんので、
 ゆっくりと、順を追ってお話いたしましょう…?」

落ち着けて無いのはあきらかにアルティシアのほうなのですが
そう伝えて、いったん身体を放して貰いました。
しばらく時間が経てば、やっと落ち着いたようで。

「………。

 さきほどは、失礼しました。」

「……その。まさか、お伝えした上でも
 そんな風に言って頂けるとは…思っていなくて。」
「ありがとうございます。
 そのお言葉を頂けただけで……私はもう。」

「けれど私のようなものがお傍にいて――ご迷惑にはならないでしょうか。

 知識は、本能を自制させる為に必要だと。
 けれど……私にはまだそれが足りず
 こうして帽子や魔法の制御の力を借りている次第です。」

「もしも。もしも、私がルスキニアさまの最後の命まで奪いそうになった時は。
 ………どうかその時は、ルスキニアさまの御手で止めを。」
両手で包み込むようにその手を取り。
自分の心臓があるであろう位置へと誘導すると、そっとその掌を押し当てました。


「貴方のいなくなった世界では、きっと私は静かに消えていくだけでしょうから。
 …もちろん、そうならないよう私も最善を尽くします。
 すこしでも長く――共にいられますように。」
ヤスナ [397]
「よう。前に家に来た奴だよなお前。随分探したぞ」


それは何時頃の事だろうか。
男は貴方をだいぶ探し回っていたようで、やや息が切れている。相手が解ろうが解るまいが、自己紹介は省き。
一度大きく息を吐くと、き、っと目を細めた。

「すまんな。理屈は解らんが、少し前にあいつと一緒に気絶した時、アルテの記憶を垣間見た。
あいつがお前に何やら打ち明けている所だ」

「単刀直入に言うが、あいつは俺が絶対に消えさせない。
色々と考えたが…………ひとつ、方法を見つけたんだ。そこは黙って俺に任せろ」
「問題はその後だ。…………いいか、お前は絶対にあいつを幸せにしろ。解ったな?」


「――――言いたい事はそれだけだ。……頼んだぞ」



本当にそれだけ言うと、一度じっと顔を見て頷いた後、背を向けて歩き出す。
ドル [589]
「う、うう、話せば長くなるのですが……」

霊玉をダンボール箱にいれてむにゃむにゃと呟いた精製士は肩をがっくり落とした。
なんだか長話フラグくさい。

「……あと少しで協会から追い出されるかもしれないのですよ」

「精霊術使う人が知り合いにいたり、協会の市場使えないと精製や合成の意味がないので……」

「……どこか雇ってくれそうなところありませんかね?」


見上げる男の顔は弱弱しい。が、どこか鬼気迫るものがあるかもしれない。
クラージュ [690]
「そうですね、華やかな社交界の裏には私のようなものがいるわけですし」
メモを取り出して宿までの簡易な地図を手早く書き。
少し考えるようにしてから、とある国の名前とそこにある街の名前を書き。
「こちらをお訪ね下さい。それとこちらの国に訪れるようなことがあれば、こちらへ。街の者へ、フレユールについて尋ねればすぐわかるかと」
「ええ、お互い興味が無いという事で問題ありませんね。興味が無いというと語弊がありますが」
エリオ [808]
「まあ、そういうこと。
 お互い切磋琢磨しながら、でも気を抜いて付き合える関係って貴重だし。異性なら特にね。
 精霊協会が閉じたら、もう会う機会あるかわからないのが、なんだかすごく残念だけども」

さばさばした口調ながらも、微妙に声のトーンは落ちていた。


「ルスキニアさんはいつもこう、的確に痛いトコロを突いてくるなあ。
 うん、俺も今までの生き方が生き方だからね。正直、不安だらけだよ。
 でもまあ、俺はもっと自信を持つべきなのかもね。少々の不安に狼狽えないくらいの、ね」

何か思う所がある様子で、やはり落ち着かないようではあるけども。
それでもこの会話の間に、どこか気持ちの変化のようなものがあったようだ。


「なんにせよ、人間性は大切ってコト。こんな事、俺に言われるまでもないだろうけど。
 同じ判断をする指揮官なら、より善良で、人を愛せる指揮官の方が信頼できるからね。
 無情の世だからこそ愛情や信頼にすがりたい。人の心って、そういうものだと思うな」
..
「うーん。ルスキニアさんにそう言われたら、無碍にはできないなあ。
 まあ、俺もみかんばっかりじゃ芸がないと思ってたからさ。少しは控えるよ」

「そんなわけで、フラガリアちゃん。みかんはまた今度ね。
 今度会う時は、美味しい果物いっぱい持ってくるからさ。楽しみに待っててね」

カラッとした笑顔でフラガリアに手を振ると、エリオットは背を向け、その場から去っていった。
..
後日、ルスキニアが戦火のオッフェンレンツに向かった頃、主のいない部屋に一通の手紙が届けられた。

差出人はエリオット・アヴェンシス。手紙には小さな小包も添えられていた。
もし手紙に目を通す機会があったなら、簡素な便箋に以下の内容が綴られている事がわかるだろう。


「親愛なるファエルレヴリスの精霊騎士、ルスキニア卿

 手土産を持参して尋ねた処、不在の上、帰る時期もわからないとの事でしたので手紙にて失礼致します。
 不穏な情勢が囁かれるこの時期、お仲間に何も言わず、精霊協会の依頼外にも関わらず武装して発たれたという事は、
 つまりそういう事なのでしょう。貴方をそこまで駆り立てた事情はわかりませんが、ご武運をお祈りしております。

 私もそう遠くない時期にハイデルベルクを去る事になりそうですので、これが最後の挨拶になるかもしれません。
 ルスキニア卿には件の武術会参加以来、大変懇意にしていただき、誠にありがとうございました。
 時には良き先輩として、時には兄貴分として、頂けた助言の数々は、これからの私の人生の良き礎となるでしょう。

 ルスキニア卿におかれましては、精霊協会を離れた後は、国と民を護る立派な地位に立たれる事でしょう。
 その際、このハイデルベルクで経験なされた事が助けとなるのであれば、同じ現場にいた者として、大変光栄に思います。

 さて、最後になりますが、ささやかながら贈り物をお受け取りください。
 季節の果物、苺と伊予柑のジャムと、特製のクラッカーです。フラガリア様とお召し上がり下さい。
 また、フラガリア様には新鮮な果物を提供できなかった事を詫びていたとお伝え下さい。

 それでは、ルスキニア卿の未来に精霊の祝福のあらん事を。               エリオット・アヴェンシス」


小包を開ければ、そこには赤と黄色の彩り豊かなジャムの詰まった瓶が2本。それと焼き菓子を詰められた小袋。
焼き菓子(クラッカー)は前方が丸く、後方が大きく波打っており、どこかフラガリアの姿を思わせる形状だ。

※名残惜しくありますが、これにて最終返信とさせていただきます。
 今までお相手頂きありがとうございました!本編の大団円を期待しています!

トレード

ヤパ [598]
鉄壁 Lv7 [+1] を受け取りました!
聖光付加 Lv1 [+2] を受け取りました!
シールドバッシュ Lv1 [+2] を受け取りました!

イベント(ペアマッチ)

イベント戦の設定
「イベント登録」で「対戦相手指定設定」「霊玉の装備」などの設定を行えます。
イベント名
パーティ名
メンバールスキニア
 [E-No.36]
アルテ
 [E-No.162]

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバールスキニア
 [E-No.36]
アリア
 [E-No.246]
フレデリカ
 [E-No.258]
ヤパ
 [E-No.598]

プロフィール

クラス
種族
性別男性年齢27歳身長186cm体重78kg
とある海沿いに在る王国出身の遍歴騎士。
精霊協会へは、その技術やノウハウを学び自国へと持ち帰る為に入会した。

父親がエルフで貴族の娘である母親をたらしこんだ。
わりとリベラルな王国なのでそれでもそれなりに上手くやっているらしい。
神殿の警護を担っていたりするが、その辺りは兄弟達に任してある。
憧れていた竜騎兵になる道は大タコや魔獣に美味しく喰われる先輩達を見て、止めた。


精霊を召喚し、騎乗したりする魔法騎士。
主に海洋生物系のような姿をした精霊達と契約している。
好物はスシ。


主にメイスを獲物としている。
刃物と違って、装甲の上からでも殴れば死ぬシンプルさを好んでいるらしい。


愛用しているキルト(フェーリア・モール)はエルフの手によるもので
加護の魔力が付与されている魔法の品物。雨も弾いてくれたりして便利である。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 
アイコン28 、29は[C281]タコ口コミュで描いていただいたものです。

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 
アイコン4はオッフェンレンツ戦争に関わる人なら御自由にお使いください。

アイコン一覧

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サブプロフィール

・ルスキニアと契約している精霊たち。

■フラガリア
深き海に属する精霊。宙を泳ぐように漂っている。
その魔力は入り交じっていて混沌としている。虹めいた体色はその現れ。
形状はメンダコによく似ている。
具現化により半霊半実体化しているが、その本体は海に在る。
穏やかな性質で水のマナに近しく、戦いはあまり好まない。
癒しの効果のあるキラキラした粉をふりまいて契約者達の身を護る。
傷口に張り付くことでより強い癒しを与えることも。

■カルタミ・ビカラ
南の海に属する魚の姿の精霊。白地に黒い帯模様。
形状はホンソメワケベラによく似ている。個ではなく群れ。
人語は介さないが、ルスキニアには懐いているらしい。
キルトの隙間に入り込んでは寝ている。
金属、布地を問わずに小さな傷を啄むことにより
修復する能力を有している。限定的な時間の巻き戻し。
その傷をつけた力の残滓を取り込むことで活力としているようだ。
ただし、あまり大きな損傷は直せない。

■ピウス=メルカーバー
猛き海に属する精霊。祈りを捧げるような姿をしている。
異様に優れた視力と翠色を基調とした鮮やかな甲殻が特徴。
鎌状の大型補脚から繰り出される居合いのような打撃は
鎧を歪ませ、打ち砕く。
形状はモンハナシャコに似ている。
見た目に反して俊敏に跳ぶように移動する。
性格は獰猛で暴れん坊。動くものは反射的に砕いて捕食しようとするので
フラガリアの同調による制御なしでは騎獣として使い物にならない。

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
1510020020193151392
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
000011.07037.4200
混乱耐性猛毒耐性睡眠耐性麻痺耐性火炎耐性水冷耐性風雷耐性土重耐性
100010000000

素質

HPアップ Lv1スタミナアップ Lv5水MPアップ Lv1土MPアップ Lv1
混乱耐性 Lv2睡眠耐性 Lv2

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
14強化均衡能力強化10101010
1443強化鉄壁の盾10101010護盾付与『非ずのエシオゥ・クルト』
146強化鉄壁の鎧------40重甲付与『火花散らすリーツ』
1596強化強壮------40
17強化状態異常耐性上昇10101010『ラトシアシーの護法印』
57強化属性攻撃耐性上昇10101010
1501強化火属性耐性上昇40------
1511強化風属性耐性上昇----40--
22具現精霊召喚10101010××召喚の儀
22具現精霊召喚II20202020××召喚の儀
22具現精霊召喚III30303030××召喚の儀
43具現攻撃精霊召喚40------××召喚の儀
43具現攻撃精霊召喚II80------××召喚の儀
43具現攻撃精霊召喚III120------××召喚の儀
43具現攻撃精霊召喚IV160------××召喚の儀
44具現治癒精霊召喚--40----××召喚の儀
44具現治癒精霊召喚II--80----××召喚の儀
44具現治癒精霊召喚III--120----××召喚の儀
44具現治癒精霊召喚IV--160----××召喚の儀
260具現不死精霊召喚--20--20××
261具現使い魔召喚10101010××召喚の儀
261具現使い魔召喚II20202020××召喚の儀
207具現精霊幽体化10101010×具現花護『アウラ=アウクァの外套』
207具現精霊幽体化II20202020×具現花護『アウラ=アウクァの外套』
1383具現火の行使40------××具現戦技『イブアールの鉄槌』
1383具現火の行使II80------××具現戦技『イブアールの鉄槌』
1383具現火の行使III120------××具現戦技『イブアールの鉄槌』
1383具現火の行使IV160------××具現戦技『イブアールの鉄槌』
1388具現水の行使--40----具現霊癒『エリファエスの慈雨』
1388具現水の行使II--80----具現霊癒『エリファエスの慈雨』
1388具現水の行使III--120----具現霊癒『エリファエスの慈雨』
1388具現水の行使IV--160----具現霊癒『エリファエスの慈雨』
1393具現風の行使----40--具現射撃『ディラリミィの魔弾』
1393具現風の行使II----80--具現射撃『ディラリミィの魔弾』
1393具現風の行使III----120--具現射撃『ディラリミィの魔弾』
1393具現風の行使IV----160--具現射撃『ディラリミィの魔弾』
1398具現土の行使------40具現結界『レブマーの晶壁』
1398具現土の行使II------80具現結界『レブマーの晶壁』
1398具現土の行使III------120具現結界『レブマーの晶壁』
23具現魔剣具現10101010××
23具現魔剣具現II20202020××
23具現魔剣具現III30303030××
64具現魔盾具現------40××憑依具現『霊盾オディエル=アーク』
64具現魔盾具現II------80××憑依具現『霊盾オディエル=アーク』
64具現魔盾具現III------120××憑依具現『霊盾オディエル=アーク』

装備品

主力:片手(武器)LvCP攻撃防御精度
アキレギア
精霊銀製のメイス。精霊術の発動体も兼ねている。
27131350135
スロット1聖光付加 Lv6 [+2]
スロット2精霊の加護 Lv3 [+3]
スロット3精霊の支配者 Lv1 [+3]
補助:盾(防具)LvCP攻撃防御精度
フォルシティア
精霊銀製の盾。精霊の祝福を受けている。近接戦用のエッジが取り付けられている。
2713081189
スロット1シールドバッシュ Lv2 [+2]
スロット2シールドマスタリー Lv2 [+2]
スロット3かばう Lv12 [+2]
防具:重装(防具)LvCP攻撃防御精度
ガランサス
精霊銀製の鎧。精霊の祝福を受けている。
27130135135
スロット1不屈の闘志 Lv3 [+4]
スロット2不屈 Lv2 [+2]
スロット3覚醒 Lv2 [+4]
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力18818850117207177
補助00176199

同調Lv一覧

霊玉名(武器)同調Lv
麻痺付加0.2
火炎付加0.2
風雷付加0.5
聖光付加3
挑発付加0.4
必中0.2
霊玉名(防具)同調Lv
状態異常耐性0.2
ヒールスロット0.5
不屈0.9
不屈の闘志1.4
覚醒2.2
治癒活性0.5
かばう4.3
ブロック1.9
シールドマスタリー2
シールドバッシュ1
霊玉名(武器・防具)同調Lv
水の加護0.4
精霊の加護2.2
精霊の支配者1
狂戦士0.2
ワクチン生成0.2
睡眠活性0.4
ワクチン生成改1

霊玉名:【青字】同調Lvは上昇可能/【赤字】同調Lvは上限に達している

所持アイテム(14/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1聖光付加 Lv6 [+2] (武器)1,200
2霊玉主2精霊の加護 Lv3 [+3]600
3霊玉主3精霊の支配者 Lv1 [+3]200
4霊玉補1シールドバッシュ Lv2 [+2] (防具) (盾のみ)400
5霊玉補2シールドマスタリー Lv2 [+2] (防具) (盾のみ)400
6霊玉補3かばう Lv12 [+2] (防具)1,200
7霊玉防1不屈の闘志 Lv3 [+4] (防具)600
8霊玉防2不屈 Lv2 [+2] (防具)200
9霊玉防3覚醒 Lv2 [+4] (防具)200
10霊玉聖光付加 Lv1 [+2] (武器)200
11霊玉先制 Lv1 (防具)100
12霊玉かばう Lv1 [+4] (防具)100
13霊玉ブロック Lv1 [+3] (防具) (盾のみ)100
14素材精霊兵の破片75
サブクエストポイント
精霊兵研究所(ヘルミーネ)560
鍛冶師(ボフディン)335

拡張機能

精霊兵契約(ステータス)

所属コミュニティ(5)

【コミュニティ一覧】

C-Noコミュニティ名参加
者数
発言
作成
Link
115
【ドット絵】◇よつかど◇【.jpgダメ絶対】
260
125
精霊戦闘術演劇場
63
158
【具現・召喚系】精霊の底力
144
281
帰ってきた♽もしやあなたもタコ口になるコミュ
164
889
第17(略)集積層ハイデルベルク支部
104
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