精霊伝説
トップページ冒険結果一覧 > E-No.164 (第28回:2013/3/30)

E-No.164

本名:リビド
通称:リビ

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一言メッセージ
穏やかな昼下がり、2人部屋に佇む影は僕一人だけ。
ハダルはまた何処かへと出かけていった。
今日は何時戻るんだろう、そんな事をボンヤリと考えながら
窓辺に陣取って特に何かをするでもなく外を眺めていた。
「いい天気……」
空が青い、頬を撫でる風も柔らかく温かだ。
季節が変わろうとしていた。
「どうしようかな」
何処かで可愛い声が囀っている。
鳥かな、そう顔を窓の外へ覗かせた時だった。


(あ……)

あの時の女が居た。
じっと僕を見ていた。目を反らす事もなく。
けれどあの日と違って女はその場を去ろうとはしなかった。
だから僕は、この窓から離れて、部屋からも抜け出して
女の前まで行ってみた。

「……こんにちは、おねーさん」
「……」
「僕を、ずっと見ていたのは貴方?」
「……」
女は何も答えない。
僕もそれだけ言って紡ぐ言葉を終えてしまった。
けれど今までの視線の正体は、この人だと僕はなんとなく確信していた。

「リビド」

今何を言っただろう、この人は僕の名前を呼んだだろうか。
目の前の女を見た。
相変わらず僕の顔を見つめたままで
「貴方はリビド、間違いありませんか」
無表情のまま、もう一度言葉を発した。
淡々とした、抑揚のない声。
何か覚えがあるなと思った、それが自分の話し方とよく似ていることには気づけずに。
「……僕、リビドだよ」
女の質問に肯定を返す。
「……貴方に会いたいと仰る方が居ます」
「僕に?」
「ご一緒に来て頂けますか」
女はその言葉の後、すぐに言いなおす。
「いえ、来て頂きます」
僕の返事は聞かないらしい。
「時間が掛かる?」
「会うだけです」
「遠い?」
「すぐそこまでいらしています」
さぁ、と相変わらず表情の変わらない女が手を差し伸べる。
「……分かった」
女の手は、冷たくもなく熱くもなかった。
僕をエスコートするようにゆっくりと、そしてどこか機械的な動作で女は僕を促す。
ハダルの宿から少し離れたその場所に小さなラウンジがあった。
人はまばらだ。女はそのまま僕を連れてその店に入る。
店の中は薄暗い。簡易な個室のような造りになっているその店の奥
僕と女は案内も受けず迷わずその奥の部屋へと歩いていく。
「お連れしました」
「ああ、ご苦労」

奥の部屋には男が座っていた。整った紳士的な身形、カップを口へと運ぶその動作にもどこか品があるように思った。
「僕に用があるのは、おにーさん?」
「そうだよ。さぁ、座りたまえ」
僕が向かいの椅子に腰を下ろすとタイミングを見計らったかのように先程の女が僕の前に
紅茶の入ったティーカップをふわりと置いた。彼女は彼の給仕か何かなのだろう。
「久しぶり、と言ったほうが正しいのだけれどね」
「……何処かで、会った?」
首を傾げる僕に男は優しげな笑みを返し、こう答えた。

「××× と言えば、君は思いだしてくれるかな?」
「それ、は……」
それは、旦那さんの名前。あの時死んだ、死んでいった館の主の名前。
「まだ君がもう少しだけ幼い時だったね、私は君に何度か会っているよ」
会っている、とは。つまりあの頃の僕と面識があるという事はそういうことだ。
いちいち上客の顔など覚えてはいなかったけれど。
「僕の事、覚えてるんだ」
「忘れないさ、君の事はね」
静かにカップを傾け紅茶を口にする男、カチリと元の位置に戻した後に僕を見た。
「君がこの街にいると知った時は驚いたよ。そして生きているだなんてね、あの事件は痛ましいものだった」
「そうだね」
僕だけが、生き残ってしまった。置いていかれてしまった。愛されなかった。
「どうだい、リビド。私のところへ来る気はないかね」
男は立ち上がると僕の傍へ歩み寄った。そして僕の肩、そして髪に触れる。慈しむように。
「生きていると知って君の事をずっと探していた。そしてやっと見つけた、この街で」
「僕が、欲しいの?」
背後に回った男を見上げるために顔を仰いだ。
男の指はなだらかに滑り、僕の髪を梳く。やわらかな笑みが降りてくる。
「とても」
「僕を、連れて行くの」
「攫ってしまいたい程に」
「何処へ」
「私の手の内に、離れられないように」
男の唇が啄ばむように僕の髪に触れる。優しく、だけど狂おしげに。
僕の手を取りながら、片方の手は僕の顎に添えられておざなりな束縛。
男の唇が耳元に近づいてくる。
「愛され方を、教えてあげようか」
その言葉の、なんて甘美な事。
僕はゆっくりと彼に向き直る。
「私は愛すなんて約束はしてやらないよ……だから、教えてあげよう」
「トレゾアの事、しってるの」
「君を探す中であの男の事も知らねばならなかったからね。まさかあの男が……」
そこで男が言葉を濁す。
「私は本当に運がいい」
その時の男の顔は、とても歪な笑みに見えた。けれど次の瞬間にはそれが嘘だったかのように
穏やかな笑顔に戻ると僕を傍のソファにそっと横たえる。
「貴方は」
「ああ」
「愛してくれないの」
「私は愛さないよ。君が愛されるべきは誰か、私は知っている」

「私と来れば、愛される方法を教えてあげるよリビド」

僕を暴きながら男は僕に毒を盛る。甘い言葉で僕を侵す。
「愛されたいだろう?」
その言葉に僕は震える。
これは悦び?
それとも怯え?
内から這い上がる感覚にワケも分からず身体を震わせた。
「い……く……」
その言葉に男の顔がまた歪んだことに、与えられる甘い毒の中で僕は気づかなかった。






わからない、こんなの知らない。
僕が僕じゃないみたい。
僕の身体じゃないみたい。
これが自分の声なのか、誰かの声なのか
もうそんな判別もできないくらい僕は狂っていた。
僕の世界を支配しているのは、僕の視界を埋めているのは

誰?
この人は誰?

もういやだ、やめて。
こんなのいやだ。
こわい、こわいよ。
おかしくなりそう。
こわい、だれか。
だれか。

だれか?
だれを?
その時僕のバラバラになった思考の中で浮かんだのは

「とれ……ぞ あ  ?」

その時、僕の世界がまた歪んだ。
目の前の誰かがまた醜く微笑んだ気がした。
そしてまた僕は狂わされる。
もう、どうでもよくなってしまう。

いやだ、いきたくない。
もう、いや

はやく
はやく
ぼくを

ころしてよ






男の手の中で僕は糸の切れた人形の様に、意識を失った。
僕の髪を撫でる男の手は、始終慈しむように、愛しげに触れるようだった。



「私を、楽しませておくれリビド」

お知らせ

登録状況
【クエスト】継続登録、メッセージ登録、戦闘設定登録
精霊術の習得
操作:猛毒V を習得!
操作:混乱V を習得!
素質の開花
風MPアップ Lv5 を開花! [-1P]
→ 風MPが上昇! [80→100]
スキルの鍛練
鍛練によって 操作 のLvが上昇! [42→43]
装備品の強化
同調によって 主力 のLvが上昇! [26→27]
精度 が上昇! [200→210]
同調によって 補助 のLvが上昇! [26→27]
防御 が上昇! [250→260]
同調によって 防具 のLvが上昇! [26→27]
精度 が上昇! [250→260]
メッセージ送信
ロジェ [48]1件 のメッセージを送信!
リビ [164]1件 のメッセージを送信!

メッセージ

リビ [164]

「甘露な時間はあっという間に過ぎてしまうな」


「彼は、来ると思うかい?」

「……私には、図りかねます」


「珍しく言葉を濁すね」


「……あの子供の中身は虚ろです」


「知っているよ。だからこそ注ぎやすい」


「あれは必ず私のものになる、これは確信だ」


「ならば、そうなるのでしょう。貴方が言を違えた事は私の記憶においてございません」


「私は必ず成し遂げるよ。己の目的の為ならばね」

女の表情は始終変わらぬままだった。

クエスト

クエスト名
パーティ名
メンバーハダル
 [E-No.70]
リビ
 [E-No.164]

プロフィール

クラス
種族
性別男性年齢17歳身長160cm体重52kg
単純にLibidoから。

正確な年齢はわからないけれど、だいたい16−18くらいな曖昧な線で。

一人称:僕
二人称:呼び捨てだったり愛称呼びだったり
知らない人は「おにーさん、おねーさん」など。

淡々とあまり感情はみせない。
普段の表情も乏しい。
自分の事に関してあまり興味もないというか、どうでもいい。
少々世間とずれている節がある。

左手首に傷痕。布を巻いて隠す。

神に愛されていれば天に召される、と信じている。
だから自分は愛されていない(まだ生きている)んだと思っている。
愛されたい。
この場合のリビドにとっての愛とは”死”である。

何に関しても受動的。

『自分を愛してみようとしたんだけど、なんだか違ったんだ。
 だからね、やっぱり僕は誰かに愛されたいんだ』

自分にはヒトとしての何かが足りてないと思っている。

***
”約束”はトレゾアの一言メッセ第8回更新、リビドの一言メッセ第9回更新参照

信じている、つもり だったけれど……
今は、わからない。

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サブプロフィール

現物取引を生業とした商人。

黒い皮手袋に覆われたぎこちない動きの右手はどうやら義手の様だ。

その他に関しては一切不明。

※こちらは他のキャラクターの方との絡み予定は一切ありません

ステータス

HP火MP水MP風MP土MPMP増加量スタミナ素質PGP
140001001000186022,363
増幅放出治癒結界強化操作具現中和精製
0000044.36000

素質

水MPアップ Lv5風MPアップ Lv5

精霊術

術No系統種別MPコスト対象
拡大
対抗
発動
術名
18操作混乱40------音無き叫喚
18操作混乱II80------音無き叫喚
18操作混乱III120------音無き叫喚
18操作混乱IV160------音無き叫喚
18操作混乱V200------音無き叫喚
19操作猛毒--40----密やかな浸蝕
19操作猛毒II--80----密やかな浸蝕
19操作猛毒III--120----密やかな浸蝕
19操作猛毒IV--160----密やかな浸蝕
19操作猛毒V--200----密やかな浸蝕
20操作睡眠----40--微睡の指先
20操作睡眠II----80--微睡の指先
20操作睡眠III----120--微睡の指先
20操作睡眠IV----160--微睡の指先
21操作麻痺------40狡猾な鎖
21操作麻痺II------80狡猾な鎖
21操作麻痺III------120狡猾な鎖
21操作麻痺IV------160狡猾な鎖
143操作魅了40------
143操作魅了II80------
143操作魅了III120------
143操作魅了IV160------
224操作劇毒--40----
224操作劇毒II--80----
224操作劇毒III--120----
224操作劇毒IV--160----
223操作昏睡----40--深淵への誘い
223操作昏睡II----80--深淵への誘い
223操作昏睡III----120--深淵への誘い
223操作昏睡IV----160--深淵への誘い
1423操作出血--40----
1423操作出血II--80----
1423操作出血III--120----
1423操作出血IV--160----
280操作減速------40茨の制約
280操作減速II------80茨の制約
42操作状態異常耐性低下10101010
42操作状態異常耐性低下II20202020
67操作標的集中10101010×
67操作標的集中II20202020×
67操作標的集中III30303030×
252操作嫉妬10101010×

装備品

主力:遠隔(武器)LvCP攻撃防御精度
チャクラム
円月輪とも呼ばれる投擲武器。外側が刃になっている
2713600210
スロット1鷹の目 Lv1 [+4]
スロット2チャージ Lv2 [+1]
スロット3狙い撃ち Lv3 [+3]
補助:補具(防具)LvCP攻撃防御精度
薄汚れたリンネル
所々血が滲んだボロボロのリンネル(リネン)。手首に巻かれている
2713026010
スロット1精度アップ Lv3 [+1]
スロット2水の加護 Lv1
スロット3精霊の加護 Lv1 [+3]
防具:軽装(防具)LvCP攻撃防御精度
薄地のローブ
ただ纏うだけのあまり価値のない薄手の布で出来たローブ
2713010260
スロット1
スロット2
スロット3風の加護 Lv3
攻撃力命中力受け
防御力
受け
成功力
防御力回避力
主力1712262568174228
補助0000

同調Lv一覧

霊玉名(武器)同調Lv
麻痺付加0.5
腐食1
チャージ1.3
狙い撃ち3
鷹の目0.8
霊玉名(武器・防具)同調Lv
精度アップ1.8
火の加護0.2
水の加護0.5
風の加護1.4
精霊の加護1
フィナーレ0.5
トレジャーハンター0.5

霊玉名:【青字】同調Lvは上昇可能/【赤字】同調Lvは上限に達している

所持アイテム(11/25)

No種別装備アイテム名価値
1霊玉主1鷹の目 Lv1 [+4] (武器) (遠隔のみ)200
2霊玉主2チャージ Lv2 [+1] (武器)200
3霊玉主3狙い撃ち Lv3 [+3] (武器) (遠隔のみ)300
4霊玉補1精度アップ Lv3 [+1]300
5霊玉補2水の加護 Lv1100
6霊玉補3精霊の加護 Lv1 [+3]200
7霊玉防3風の加護 Lv3300
8霊玉腐食 Lv1 [+1] (武器)100
9素材精霊兵の破片75
10素材精霊兵認識票100
11素材精霊兵認識票100

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路地裏の廃屋
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