C-No.162
![]() | .。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+.。.:*・゚+ 作成者:アルティシア [162] |
- コミュニティ
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森の中、河を越え、くねくねの長い藪の中を通り抜けると
そこはまるでこの世のものとは思えない夢のような世界。
春爛漫の桜の園。
淡い色彩の花が咲き乱れています。
誰も知らないその場所で、ゆるりとお花見などをしています。
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※このコミュニティはロケーションの都合により、現在は参加者限定コミュとなっています。
コミュニティメッセージ
- アルテ [162]
- ヤスナたちにその場所の事を話し、お花見をする事になりました。
アルティシアは調べ物ですっかり気が塞ぎ込んでいましたが、
広く鮮やかなその世界、風を頬に受けると、とたんに心が晴れてくるようでした。
桜の木の下に皆が落ち着けば、抱えていたバスケットから色々なものを取り出します。
穏やかな風に桜の花びらがふわりと運ばれ、差し出した杯に浮かびます。「天后様、お菓子はいかがでしょうか。クッキーはお好きですか?
こちらのお酒は頂いた薬草酒なのですが、匂陣様、お試しになられますか。」
持ってきていたのは飲食物が中心だったようで、なにを渡そうか迷っているようでした。「ヤスナ様は……今は味覚は感じられないのですよね。
なにか、欲しいものは御座いましたか?」
ぽん、ぽん。膝を折って座ると、腿をたたいて示します。「最近、少しお疲れのようですが…
すこしお休みになるのでしたら、枕にお使いになりますか?」 - そうしてしばらく時間が経過したころ。
アルティシアは皆とは少し離れた所で、ぼうっと遠くの桜を眺めています。「ヤスナ様、お花見というのは素晴らしいものですね。
こんなに穏やかな気持ちになるだなんて。
最近、調べ物がうまくいかなくて……気が張っていたのかもしれません。」「大丈夫ですよね。
きっと、皆の幸せな未来が見つかりますよね。
家に帰ってまたがんばるためにも、今はこうして気力を充実させませんと。」
「……もちろん、『皆』というのはヤスナ様の事も、ですよ?」
その桜の園では、『もう一人』が紛れ込んでいるかもしれません。
その気配は、神経を研ぎ澄まさなければ感じる事はできないでしょうし
もしも感じる事ができたとしても、姿を見ることは難しいでしょう。
けれど、たしかにその場所には
『もう一人』が存在しているようでした。
- ヤスナ [397] [NEW]
「………桜が咲くような場所がここらにあるとはな。驚いたよ」
ぼんやりと視界に映る花弁とざわつく色彩の波。
既にそれをそれと認める事の出来ぬ己が目はもどかしいものの、本当は二度と見られぬと覚悟したようなものだったと思えば感慨は深い。
大きく息を吸い込むと、満開の花櫻に向けて胸を張る。
その横を、少女が駆けていく。「わあ、わあ!主様、いろね様、すごいですこの桜!
天后まさか異界でこんな光景が見られるなんて思いもしませんでした!」
地面に落ちた花弁を集めては、ぱあっと散らしている彼女を尻目に、巨躯が木の陰へと早々に進んでいく。
腕一杯に抱えた樽には酒がたんまりだ。「花見っつったらコレだよなあ。俺は勝手にやらせてもらわァ」 「協調性の欠片も無いですね、貴方は全く」 「…お前に言われたかねえや、引き篭もりヤローが」
肩を竦める匂陣を見送り、そそくさとその場に椅子を置き始めるのは未の十二天将、大裳。何やら大荷物を降ろし、まず真っ先に妙な楽器を取り出した。「――今を盛りと見えて侯、咲きも残らず散りもはじめず。
……母上、二胡をお聴きになった事は? 宜しければ私から一曲送らせて下さいませ」
緩やかに弾き始める音階は単純だけれども、深い、とにかく深い高音を奏で出す。
生命が今正に満開であると表すような力強い弓の引き。それを生み出す大裳は、ずっと穏やかな顔を浮かべたまま。実に、楽しそうである。「やあ、やあ。上手いもんだな、流石は芸術の将ってところだ」 「ふふ。お粗末様で御座います」 「あっ、いろね様、天后めにお酌させて下さいませですっ。姉妹の盃と参ろうではありませんか!」 「……。花の蜜で任侠ゴッコかよ…」 「……………」
匂陣の言う通り、天后はアルティシアに蜜の入ったとっくりを差し出して何やら満悦そうだ。
騒がしい連中を見るヤスナの表情はいつも以上に柔らかい。「………アルテ、少しいいか」
わあわあと賑やかになる周囲を目の当たりにして、ぽつりと彼女に小さな声で呼びかける。酒の入った猪口を見下ろすと、くいと呷った。「………………。
前にお前に言ったな。俺はようやく人間になれた気分だと。……お前のお陰なんだと」「すまん、あれは勘違いだ。今では別に人間で無かろうが如何でもいい。
…………そう思ったら何となく、お前の気持ちが解ったような気がしたんだ」「―――アルテ。お前は確かに聖人なんかでは無かった。
だから一つだけ言っておく。……お前のわがままとやらは、俺は一つだけ絶対に許さない」「………。お前の間違いは俺が正してやる。だから、お前にとっては不都合もあるかもしれない。
けど、これから先何があっても――― もう、お前は全部大丈夫だ。多分な」
そう言ってまた一口呷る。男は終始ご機嫌な笑顔のままだった。
参加者一覧(2)
E-No | キャラクター名 | Twi tter | Link | ||
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397 |
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